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(1)育種家が込めた思いが 心をとらえる美しさに

(1)育種家が込めた思いが 心をとらえる美しさに

2018年5月19日
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菊池登喜代さん

バラのことなら何でも答えてくれる「バラおばさん」こと菊池登喜代さん

阿蘇市にある「はな阿蘇美」のローズガーデン。バラの花のトンネルが出迎える人気のガラスドームの中は、オールドローズやつるバラ、四季咲きバラなど、多種多様なバラの花が咲き、まるでバラ図鑑の世界です。

「品種によって色や香りが違い、それぞれに魅力を感じるのがバラの花です。手をかければかけるほど美しく咲いてくれ、何だか心が通じているような気がします」とローズガーデンを管理する菊池登喜代さん(65)。菊池さんは一株一株に水をやりながら「今年はどんな咲き方をするの?」とバラの花に話しかけているそうです。

それぞれの品種に付けられた名前の意味を知るのも楽しいものです。例えば、イギリスの育種家・デビッド・オースチン氏が手掛けた「オリビア・ローズ・オースチン」は、孫娘の名前が付けられています。淡いピンクの花はフルーツのような香りがして、かわいらしい少女を思わせる品種です。

オリビア・ローズ・オースチン

濃厚なフルーツの香りがする「オリビア・ローズ・オースチン」

日本のバラを世界に認めさせたのが、千葉県にある京成バラ園芸の研究所長を務めた故・鈴木省三氏です。そのきっかけとなったのが、1967年に発表された「聖火」。1964年の東京オリンピックにちなんだ大輪のバラは、淡いピンクに真紅の縁取りの花びらで、まるで聖火台でゆらぐ炎のようです。鈴木氏はバラに向き合う時は常にスーツを着用していたそうです。バラへの愛情を込めて数々の品種を生みだし、国際コンクールで多くの賞に輝いた鈴木氏は、「ミスター・ローズ」と呼ばれています。

故・鈴木省三氏の代表作「聖火」

日本のミスターローズと呼ばれた、故・鈴木省三氏の代表作「聖火」

バラの名前には、故・ダイアナ元妃の名前が付いた「プリンセス・オブ・ウェールズ」や女王にちなむ「クイーン・エリザベス」など、ガーデニングの本場イギリスにまつわるものも数多くあります。

プリンセス・オブ・ウェールズ

故・ダイアナ元妃をしのぶ「プリンセス・オブ・ウェールズ」


花びらで手作りする 香りを楽しむアイテム

「バラの香りにはリラックス効果があるといわれ、手軽に楽しむ方法もいろいろあります」と菊池さん。

まず、花びらを白ワインやブランデーに漬けるバラのお酒には、「ルイ14世」など香りが強いバラを使うのがおすすめです。また花びらを熱湯に浸して作るローズウオーター。お湯が冷めるのを待って花びらを取り除き、飲用や化粧水として使うことができます。

いずれも無農薬で育てたバラの花びらを使うことがポイント。暮らしの中にバラの香りに満たされる時間を作ってみてはいかがでしょう。