
鹿児島県長島・熊本県天草・長崎県雲仙の3県が一度に見渡せる御立岬公園の「三県展望所」
田浦町の絶景ポイントとして知られるのが「御立岬」です。「日本書紀」によると、熊襲を征伐した景行天皇が田浦の入り江から出発したとあり、「お立ちされた」ということから、いつしか「御立岬」と呼ばれるようになりました。
展望所からは、おだやかな海の向こうにうっすらと天草の島影が見えます。澄んだ空の下で大きく深呼吸してみます。
この岬一帯は「御立岬公園」として整備され、海水浴場やコテージ、温泉施設にゴーカート場などを備えています。
「夏の間は海水浴でにぎわいますが、静かな冬の海辺もいいですよ」と公園事業部長の益田哲明さん(49)。

「御立岬公園」の益田哲明さん(左)とキャンプ場・ゴーカートスタッフの坂本太志さん(25)。「冬のビーチでインスタ映えする風景を撮って下さい!」
シーズンオフでも、快晴の日曜日にはビーチにパラソルが立てられます。青い海を眺め浜辺の暖かな日差しに身をゆだねて過ごすというのはいかがでしょうか。

白い砂浜にパラソルが映える「御立岬海水浴場」。パラソルはよく晴れた日曜日に立てられます
塩分を含んだ温泉水から精製される塩を使ったオリジナルのお菓子
散策後に「御立岬温泉センター」に立ち寄ると、売店で「塩アイスクリーム」や「塩あめ」「塩せん」といった塩を使ったお菓子が目に留まりました。
塩分を含んだ温泉水から精製される塩を使ったオリジナルのお菓子とのこと。潮湯で体の芯からポカポカと温まると、冬とは言え冷たい塩アイスを食べたくなります。

広々とした内湯と露天風呂を備える「御立岬温泉センター」

露天風呂では、海に沈む夕日を眺めながらゆったりするのがおすすめです

さっぱりとした甘夏フレーバーの「塩アイスクリーム」250円。塩がミルクのコクを引き立てる「そるとクリーム」300円もあります

温泉水で作る塩「岬の御塩」250g750円(左前)を使ったお菓子も多彩にそろいます。左から「黒糖ラスク」「シュガーバターラスク」各300円、「塩せん」130円、「黒糖塩飴」「塩飴」各250円、「ごま太鼓」100円
海の波頭のまぶしさが物語るように
「御立岬」から5分ほど車を走らせると「芦北町漁協田浦本所」に到着します。お目当ては、「田浦銀太刀」のブランド名で知られる、タチウオです。野口修所長(58)が捕れたばかりのでっかいタチウオを見せてくれました。
サイズが1メートルを超えるものは「ドラゴン級」と呼ばれ、市場でも高値で取り引きされています。
「タチウオは一年中とれるけど、秋から冬にかけては脂が乗ってさらにうまくなりますよ」と聞き、煮付けがいいか焼きがいいか、はたまた刺し身で食べたいなどと、迷うばかりです。

サンマをエサに引き縄漁で捕る「田浦銀太刀」。「ドラゴン級」の大きさのタチウオは、まさに日本刀のようです

特産の真っ赤な足を持つアシアカエビも冬が旬です


冬のおすすめの海の幸を聞くと、「ワタリガニもこれから身が詰まってくるし、アラジャクも卵が入っておいしいよ」と所長の野口修さん
午後2時頃になると、早朝から沖に出た船が戻ってきました。桟橋に到着した漁師歴12年という嶋浦俊仁さん(47)の笑顔から、タチウオ漁が大漁だったことが分かります。
「小さめの若いのは、刺し身で食べるのがおすすめ。若いと皮が薄くて軟らかいもんね(笑)」
海の波頭のまぶしさが物語るように、この町が誇るブランド魚はまさに光り輝いていました。

14時を過ぎると、タチウオ漁の船が次々と田浦漁港に帰ってきます

嶋浦俊仁さんは、父親の跡を継ぎ、漁師になって12年。冬場はタチウオ漁に加えて素潜り漁でアワビやナマコもとっています
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。