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(4)来月15日は「のばらさん」 760年以上の伝統誇る風流楽

(4)来月15日は「のばらさん」 760年以上の伝統誇る風流楽

2017年9月16日
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野原八幡宮の鳥居と楼門

拝殿には奉納された稲が飾られています

平安時代、現在の荒尾市や長洲町の地域は、野原荘(のはらのしょう)と呼ばれ、その中心が郷社の「のばらさん」の愛称で親しまれている「野原八幡宮」です。郷社とは、郷(地域)で要にある神社を指し、国家が神社を待遇するうえで設けられた称号で、配下に20社近くの村社がありました。

春の参道は桜で埋め尽くされます

野原八幡宮の参道入口の鳥居

細川藩から野原八幡宮がたまわったという縁起書

「野原八幡宮」の創建は平安時代の初め。宮内にあったものが、野原荘の成立とともに現在の所に遷宮(せんぐう)されたと伝えられる神社です。慶応4(1865)年まで2万4千坪を有した野原荘は、その由緒を記す文献も数多く残されており、寛文5(1665)年に細川藩からたまわった縁起書など貴重な資料もあります。

境内奥にある、四方を竹の柵で囲まれた神田は「献穀田(けんこくでん)」です。

野原八幡宮の「献穀田」。手塩にかけて育てられたコメとアワは、今年の新嘗祭に献上されます

ここでは今年6月に「御田植の儀(おたうえのぎ)」が行われました。11月23日に天皇陛下により執り行われる宮中行事「新嘗祭(にいなめさい)」に献上されるコメとアワが育てられています。境内に神田を持つ神社は全国でも数少ないそうで、2万石の領地を有していたという同社の格式の高さがうかがえます。

「稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を願う『新嘗祭』は古くから行われている神聖な祭儀です。新穀を皇祖と神々にお供えし、天皇ご自身も食され収穫に感謝をされます」と話すのは野原八幡宮の宮司・月田襄(ゆずる)さん(69)です。

野原八幡宮について詳しく話をしてくれた宮司の月田襄さん

毎年10月15日には、野原八幡宮大祭が行われます。見どころは、760年以上も前から口授口伝によって守られてきた風流楽(ふうりゅうがく)。

赤い狩衣(かりぎぬ)をまとい、紙で作られた獅子頭をかぶった2人の少年が、太鼓と小太鼓を叩きながら、笛に合わせて舞います。これは、はるか昔、社殿に凶事が多発したため、悪魔払いの舞楽を演じたことに由来します。さらに祭りでは、稚児を馬に乗せ荒尾地区を練り歩き豊作を神々に感謝する「節頭行事」も幾世代と続けられています。

また、この地域では「七五三」の宮参りを1カ月早く行うのが習わしで、この大祭が行われる日に参拝するそうです。

拝殿ではおごそかに祈願が行われていました

野原八幡宮大祭

日程/10月15日(日)
場所/野原八幡宮
秋空の下で行われる野原八幡宮大祭、通称「のばらさん」。
見どころは風流楽。獅子頭をかぶった赤い狩衣姿の少年たちの舞いなど、熊本県の重要無形文化財にも指定されています。

野原八幡宮