
日本の近代化の歴史を伝える、世界文化遺産に登録された「三池炭鉱万田坑」
荒尾は梨の名産地です。8月上旬から10月下旬まで約3カ月にわたり、幸水、豊水、新高などいろんな品種の梨が出荷されます。荒尾で栽培される梨の中でも代表的な品種が「新高」で、別名「荒尾ジャンボ梨」です。大きいものになると幼児の顔くらいあり、文字通りジャンボ。荒尾で栽培が始まったのは、昭和の初めごろで、今や全国的ブランドです。
名前の由来は「新潟県産梨の“天の川”」と「高知県産の“今村秋”」という品種を交配させたもので、新潟の「新」と高知の「高」の文字をとって「新高」と名付けられたそうです。
そもそも荒尾の梨作りの歴史は古く、始まりは明治時代。大正、昭和にかけて栽培が盛んになっていった背景には、三池炭鉱の存在がありました。
明治時代の幕開けから約100年間、日本の近代化を支えたエネルギーは石炭でした。荒尾・大牟田の両市にまたがる三池炭鉱は日本を代表する炭鉱で、荒尾には全国から多くの炭鉱マンたちが集まりました。
そのことで、荒尾梨は彼らの手によって広まります。「故郷の家族に食べさせたい」「お世話になった方への贈り物に」と次々と送られるようになり、一気に日本全国に知られるようになったのです。そして、その需要に応じるように荒尾の梨栽培が発展していったというわけです。
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