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(1)山頭火も愛した湯の町 名物ガイドはそっくりさん

種田山頭火の人形

(1)山頭火も愛した湯の町 名物ガイドはそっくりさん

2017年9月2日
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朝夕は通勤・通学客でにぎわう日奈久駅

海からの風が、潮の香りを運んできます。八代市の南端、不知火海に面した日奈久はレトロな雰囲気が漂う温泉地。応永16(1409)年、この地に住んでいた浜田六郎左衛門少年が戦で傷ついた父の刀傷の平癒を祈り、もたらされた神のお告げで発見された温泉と伝えられています。

細川藩の「藩営の湯」が造られた江戸時代を経て、交通の便がよくなった明治期は宿も増え、湯治場としてにぎわいました。

昭和5(1930)年9月に日奈久温泉を訪れた俳人・種田山頭火は、木賃宿「織屋(おりや)」に3日間滞在。日奈久の湯や風景に感動し、「温泉はよい ほんたうによい こゝは山もよし海もよし」と日記に残したほどです。このエピソードをもとに、日奈久の魅力を発信しようと毎年開催されているのが「九月は日奈久で山頭火」というイベントです。

種田山頭火が宿泊したとされる「織屋」の2階

「昨年の熊本地震で織屋は一部損壊しましたが、全国各地からたくさんのご支援をいただき、元の姿を取り戻すことができました。お礼の気持ちを込め、例年にも増して楽しいイベントにします」と話すのは、実行委員会の事務局長を務める坂口祐弘さん(65)。地元ガイドの池田正一さん(82)は、山頭火に扮して観光客を出迎えます。

種田山頭火に扮する日奈久温泉街案内人の池田正一さん

水道管で自作した尺八を吹く、坂口祐弘さん。水道管とは思えぬほどの見事な音色に驚いていると、「坂口酔道(すいどう)という名前でライブ活動もしとります」とユーモアあふれる切り返しも

「山頭火の本名は種田正一。名前の文字が同じという時点で縁を感じますが、ほかにも共通点があっとです。山頭火は若い頃、山口県の実家で酒造りをしていましたが、私も酒屋。3月10日生まれで〝さん・とおか〟と語呂も同じ」

そう話す池田さんのなりきりぶりはかなりのもの。織屋の二階にある窓辺に腰掛け、外の景色を眺める様子はまるで再現ドラマを見ているようです。池田さんは、9月2日~30日にかけて日奈久温泉街一帯で開催される同イベントでもガイドを務めます。句会や町歩き、山頭火ゆかりの地をめぐるバスツアーなども予定されており、温泉街がにぎやかになりそうです。

日奈久駅で旅客を出迎える、種田山頭火の人形

【「九月は日奈久で山頭火」のイベントのお問い合わせ】日奈久温泉観光案内所

 

【ガイドの池田さんへのお問い合わせ】池田酒店