
小国町の家庭料理「こんにゃくずし」。酢飯とこんにゃく、そしてピリッとしたわさびという奇跡のコラボレーション!
さて、緒方さんと江藤さんに、小国町のおいしいものを聞いてみました。
緒方さんが紹介してくれたのが、「こんにゃくずし」です。「意外な組み合わせなのですが、こんにゃくのぷりっとした食感と酢飯がとても合うんです」と語ります。
そこで、木魂館のスタッフの田邉名子(めいこ)さん(56)に「こんにゃくずし」のレシピを教えてもらいました。まず大判のコンニャクを湯通しし、幅7ミリ程度に切ります。長方形に切り分けたコンニャクのそれぞれに、酢飯を詰めるスペースの切り目を入れて、しょうゆと砂糖で甘辛く煮ます。煮たコンニャクに大葉とわさび、酢飯を詰めて完成です。

こんにゃくの切り込みに酢飯を詰めます

今回「こんにゃくずし」を作ってくれた田邉名子さん
江藤さんのおすすめが、お食事どころ北里バランの「常夜(じょうや)鍋」です。“毎晩食べても飽きが来ない”という意味で名付けられました。
小国産のホウレンソウと、阿蘇黒豚を、ガーリック入りのだしにくぐらせ、秘伝のポン酢で食べるというシンプルなもの。ホウレンソウの甘さと豚肉のコクが混じり合い、えもいわれぬおいしさです。

小国産ホウレンソウと阿蘇黒豚を使った鍋料理「常夜鍋」1780円。肉でホウレンソウを巻いて食べるのがオススメ=「北里バラン」
また草原でのびのび育った阿蘇あか牛のヒレステーキも絶品。「牛を一頭買いしているので、お手頃価格で食べることができるんです」と江藤さん。

「あか牛ヒレステーキ定食」3000円(160g)=「北里バラン」

小国町の町並みが一望できるお食事どころ「北里バラン」

気さくで明るい「北里バラン」の肝っ玉母さんたち。左から松平愛子さん(60)、田代千恵子さん(67)、穴井富子さん(63)
木魂館(ムラの暮らし研究所)
北里柴三郎記念館
- 営/9時半~16時半
- 入館料/大人300円、小中高校生150円、幼児無料
- 休/水曜(水曜が祝日の場合は、翌日が休館日)
北里バラン
- 営/11時~15時(月・水~金)、11時~16時(土日)
- 休/火曜
昔ながらの小国の味を伝えている豆腐屋さん
「昔ながらの小国の味を伝えている豆腐屋さんがあるよ」。そう聞いて訪ねたのが、昨年4月にオープンした大豆工房「小国のゆめ」です。
製造責任者の宮嵜修さん(45)は、たっぷりの油で薄揚げを揚げていました。「食べてみらんですか?」。アツアツの薄揚げは、サクサクとおいしい音を立て、大豆の香りがぷーんと口の中に広がります。

大きな三角形の薄揚げは120円でお買い得
宮嵜さんが豆腐作りを始めたのは15年前。この町で古くから愛された豆腐店が廃業すると聞き、“自分が継ぐ”と名乗り出ました。それまで塗装業に従事していた宮嵜さんでしたが「なんとなく自分と合いそうな気がして」と笑います。
味を受け継いだ宮嵜さんは、1人で店を切り盛りしていましたが、その人柄と技術を買われ、昨春から社会福祉法人で障がいを持つ人たちに、豆腐作りの技術を伝え始めました。まったく経験のない福祉の世界に飛び込んだ宮嵜さん。「小国の自然の恵みを使って、障がいを持つ人たちが自立して生活できれば最高ですね」と優しい笑顔を見せます。

「小国のゆめやわらかめ(絹ごし豆腐)」「小国のゆめかため(木綿豆腐)」は、ともに1丁130円。「JA阿蘇 小国郷 朝どり市」でも購入できます

「豆腐に焼き肉のタレをかけて、チンして食べるのにはまっています」と宮嵜修さん
日が暮れる頃、まだ冷たさの残る風に思わず肩をすくめますが、足元の小さなイヌノフグリに確かな春の息吹を感じます。山里で力強く生きる人たちに元気をもらった一日でした。

足元にはイヌノフグリがかれんな花を咲かせていました
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