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(1)浮島熊野座神社に注ぐ朝日 震災から再出発をする場所

浮島熊野座神社

(1)浮島熊野座神社に注ぐ朝日 震災から再出発をする場所

2017年2月4日
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朝日が浮島熊野座神社の本殿を照らす神々しい光景

冴え冴えとした冬の朝。浮島熊野座神社は、鈍色の湖水から立ち上るもやに包まれます。明け方の瑠璃色の空に朝焼けが浮かび上がると、やがて、まばゆいばかりの力強い朝日が本殿を照らします。それはまさに、一枚の掛け軸の絵のような荘厳美です。

「早起きは三文の徳」と言いますが、この神々しい浮島熊野座神社の明け方の光景を目にすれば心身が浄化されるようで、ことわざの意味にもうなずけます。そして、今日はきっといい一日になるだろうと、確信するのです。

「おはようございます。お天気が良くてよかったですね」と、朝早くから境内の落ち葉を掃いていた宮司の井王敏靖さん(78)が声をかけてくれました。

浮島熊野座神社41代目宮司・井王敏靖さん

浮島熊野座神社の創建は、平安時代の長保3(1001)年と伝えられています。八百万の神々の祖神であるイザナギノミコトとイザナミノミコトが祭ってありますが、これは夫婦の神様で、縁結び、子宝、安産と、“命の生まれる源の神様”として古くから崇められてきました。

浮島熊野座神社は氏神様として、地域の人の心のよりどころでもあります

さまざまな願い事が書かれた絵馬

湧水の池に浮かぶこの神社は、嘉島町のシンボリックな場所でもあり「浮島さん」として親しまれています。しかし、昨年4月に起きた熊本地震で鳥居が崩壊するなど、震災の爪跡も残っていました。

「早く元の姿になるようにと、たくさんの方々から思いを寄せてもらっています。ありがたいことです」と言った井王さんの視線の先にあったのは、本殿前に寄贈された真新しい灯籠でした。

「平成二十八年四月 熊本大地震ニヨリ倒壊シタ為再建スル」と刻まれた文字には、ここが再び前を向いて歩きだすための出発点だというメッセージが込められている気がしました。

復興を願い寄贈された灯籠

すっかり昇った太陽の日を映した湖水に風が立って、葦の葉がざわめいたかと思うと、カモたちがいっせいに飛び立ちました。たちまち、水面は光が跳ねたようにきらめき始めたのでした。

「浮島さん(浮島熊野座神社)」を囲む湧水の池にはカモがのんびりと泳いでいます

境内の手水鉢の水も湧水です

人なつっこい一羽のカモが近寄ってきました。かわいい

浜線バイパス沿いに広がる、嘉島町のもう一つの顔

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