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(4)ちっちゃくてかわいい 名物のトッカンとは?

左から嶋谷洋一さん、邦子さん、剛志さん

(4)ちっちゃくてかわいい 名物のトッカンとは?

2016年12月17日
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朝市が開催される通りの入り口に店を構える「川本鮮魚店」

朝早くから店の厨房に立ち、町内の物産館「道の駅 不知火温泉」などで販売するコノシロ寿司を作っていたのが「川本鮮魚店」の川本隆一さん(77)です。

「コノシロは前の海(不知火海)で年中捕れるけん、昔はどこの家でもよく作りよったもんです」と話してくれた川本さんでしたが、数年前に愛妻を亡くして以来「一人で作るのは寂しい」とも漏らしました。

それでも「みんなうちの寿司ば待っとんなるけん、がんばれるです」と笑顔を見せます。川本さんのコノシロ寿司は、まっちゃ朝市の日にも買うことができます。

朝早くから厨房でコノシロ寿司を作る川本隆一さんの姿

川本さんが作るコノシロ寿司

お話すると、その優しい人柄に甘えたくなる川本隆一さん

松合地区の玄関口、国道266号沿いにのれんを構える「錦寿司」。「らっしゃい!」と威勢のいい声で迎えてくれたのは、店主の嶋谷洋一さん(67)と息子の剛志さん(40)です。

松合地区の入口にある「錦寿司」

家族の絆の深さがこの笑顔から伝わります。左から嶋谷洋一さん、邦子さん、剛志さん

親子でカウンターに立つ姿がなんともかっこいいのです

お目当ては季節ごとに捕れる不知火海の魚介を使った「まっちゃにぎり」。なれどお代には「店主の胸三寸」とあり、お気に入りの客になれるかどうか少しだけ不安が。

と、大将の洋一さんが「ほれ」とボウルの中で泳ぐ生き物を見せてくれました。小さなイカのようですが、胴体は大きいけれど手足が短く、クルクルとした大きな目が愛らしいのです。

「これは『トッカン』て言うて春先に捕れるイカ。この時季にゃ珍しかよ」と笑顔で教えてくれたところで、客としての印象はまずまずといったところでしょうか(笑)。そんな親子が握る寿司はうわさ通りのおいしさで、妻の邦子さん(68)が作るみそ汁が、何ともいえない優しい味を添えます。

「トッカン」と言われる小さなイカ。食べるのがかわいそうなくらいの愛らしさです

「錦寿司」の「まっちゃにぎり」。7貫で1900円前後

「まっちゃにぎり 代 店主胸三寸」とあります

店内で「昭和十九年夏」と書かれた相撲の番付表の看板を見つけました。そこには、当時の人気関取や熊本出身の力士の名前が書かれています。実は洋一さんの祖父はこの地区で「錦座」という芝居小屋と映画館を昭和40(1965)年まで経営していたそうです。相撲巡業も行われたようで、この看板はかつての松合のにぎわいを物語る貴重なものです。

錦寿司の店内に掲げられている「昭和十九年夏」と書かれた相撲の番付表

日ごとに寒さは増すけれど、松合で過ごす時間は、春の日だまりの中にいるようです。

さて、明日12月18日(日)は今年最後のまっちゃ朝市が開催されます。正月迎えの買い出しに、早起きして出掛けるつもりです。

錦寿司

松錦館(割烹旅館)

  • TEL.0964-42-2004
  • ※食事のみもOK(要予約)
  • 休/第1・3・5水曜