生活情報紙「あれんじ」公式サイト

(3)おなじみの立ち売り駅弁 ホッとする変わらぬ味

米津米店の日替わり定食

(3)おなじみの立ち売り駅弁 ホッとする変わらぬ味

2016年8月20日
|

「人吉駅弁やまぐち」の「栗めし」1100円

「弁当ー。栗めし、鮎ずしー」

JR人吉駅のホームには今日も晴れやかな声が響きます。1941(昭和44)年からほぼ毎日、ホームで駅弁の立ち売りをしている、「人吉駅弁 やまぐち」の店長・菖蒲豊實(しょうぶ・とよみ)さん(72)です。

今ではなかなか見られなくなった“駅弁の立ち売り”は人吉駅の名物となっています。菖蒲さんから弁当を買うのを楽しみに、ホームに降り立つファンも多くいます。

人気は「栗めし」。栗の形をした弁当箱の中には炊き込みご飯の上に甘く煮た栗がのせてあり、レンコン、コンニャク、練り物の煮染めなど昔ながらのおいしさが詰まっています。変わらないからうれしい、だから多くの人がその味に引かれるのです。

「SL人吉が走るようになってから、世界中からお客さまがいらっしゃいます。お客さんと会うのが楽しみで続けとるけん、風邪をひく暇もなかよ(笑)」

発車のベルが鳴り響くホームで、菖蒲さんは列車が見えなくなるまで手を振り続けていました。

半世紀近くの間ほぼ毎日、駅に立つ菖蒲豊實さん(72)。「栗めしも鮎ずしも昔からなーんも変わらん。変わったのは高速道路が出来たことくらい。駅が唯一の玄関口だった頃は旅行といえばゆっくり楽しむものだったけど、今はみんな忙しかもんね」

問い合わせ

人吉駅弁 やまぐち

 

家庭菜園の野菜などを使い、全て手作り

人吉駅から徒歩3分にちょっとユニークな食事処を見つけました。「米津米店」は米屋が営む定食屋です。メニューは日替わり定食のみ。魚と肉のメーンのおかずが一日おきに変わります。さらに季節の野菜をふんだんに使った小鉢がいくつか付いて750円とは驚きです。

「家庭菜園の野菜などを使い、全て手作り。儲けはしないけど損もせんたい。みんなが喜んでくれるだけでよかとよ」と屈託なく笑う、店長の山田豊子さん(71)。

おいしさもさることながら、料理上手なお母さんのいる家庭でご飯を食べているような、親しみやすい雰囲気が心地良いのです。地元の人にも大人気で、店に食券をキープする人が続出するほどです。

米津米店の日替わり定食(750円)。月・水・金曜のメーンは肉料理、火・木・土曜が魚料理

店の壁には、キープされた食券が並んでいます=「米津米店」

「牛すじを煮込んで作る、第1月曜限定のカレーもおいしかよ。またおいで」。左から山田和美さん(71)、宇田榮子さん(73)、吉永シズ子さん(71)、店長の山田豊子さん(71)

問い合わせ

米津米店