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(2)地域色あふれるお接待 相良三十三観音めぐり

右から中尾観音の堂守の漆上信一さんと、顧問で画家の坂本福治さん、浪床町町内会長の竹田文郎さん(69) 顧問で画家の坂本福治さん。

(2)地域色あふれるお接待 相良三十三観音めぐり

2016年8月20日
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「願成寺」境内裏にある相良家墓地。全国各地から集められた歴代当主や一族の墓が並びます。寺の南側には、相良三十三観音めぐりの一番札所「清水観音」などもあります

人吉にはもう一つ、地域のなかで大切に受け継がれているものがあります。「相良三十三観音めぐり」がそうです。人吉球磨地域には100を超える観音堂があり、その中から選定された33カ所を巡り歩くというもので、春と秋の彼岸に合わせて行われる「一斉開帳」には、県内外から多くの巡礼者が訪れます。

観音堂を守る堂守(どうもり)や、地域に暮らす女性たちを中心に「お接待」と呼ばれるもてなしが行われ、普段ひっそりとした各所の観音堂の周りがひときわにぎわいます。

茶や漬物、ところによってはぼたもちや煮しめなどを用意するところもあり、参拝はもちろん、お接待を楽しみに訪れる人も少なくないようです。

その札所のひとつが中尾観音(同市浪床町)です。境内は掃除が行き届いており、地域の人たちがこの場所を大切にしている心が伝わります。

金色の千手観音が祭られる、二番札所「中尾観音」。9月20日~26日の彼岸には境内にテントやテーブルが備えられ、茶や漬物などの「お接待」が行われます。

「子どもの頃は彼岸が待ち遠しかったですよ。『お参りしたらお菓子ばもらえるけん、観音様に行こう!』って友だちと連れ立って行くのが楽しみでした」と話すのは上原浪床町合同会会長で二番札所「中尾観音」の堂守の漆上信一(うるしがみ・のぶいち)さん(63)です。

同会では一斉開帳に備えて10の班を結成し、毎日日替わりで茶や漬物などを持ち寄って、お接待をするそうです。

「料理自慢のお母さんたちの腕の見せどころで、晴れ舞台でもあるようですよ」と漆上さん。相良三十三観音めぐりは、訪れる人、迎える人、それぞれにとって特別な季節の風物詩となっています。

ちなみに、中尾観音のすぐ近くにあるのが「源兵衛さんの墓」。“一生に一度、一つだけの願いをかなえてくれる”、という知る人ぞ知るパワースポットです。その日も、お礼参りに来ていた夫妻に出会いました。

右から中尾観音の堂守の漆上信一さんと、顧問で画家の坂本福治さん、浪床町町内会長の竹田文郎さん(69) 顧問で画家の坂本福治さん。

漆上さんは普段、豆腐の移動販売をしています。豆乳を固めた「滝川豆腐」(9月頃までの期間限定)はのど越しが良く、暑い日にも食が進みそう。人吉球磨や芦北まで移動販売しているそうです

「中尾観音堂」の近くにある「源兵衛さんの墓」。願い事をするときには、源兵衛さんが大好物だったサトイモと焼酎をお墓の前にお供えするのがならわしなのだそう

問い合わせ

中尾観音

 

親父のガンコとうふ(漆上信一さんの豆腐訪問販売)