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(3)子育てしながら夫と沖へ 島の女漁師はいつも大忙し

御所浦・牧島にあるアコウの木

(3)子育てしながら夫と沖へ 島の女漁師はいつも大忙し

2016年7月16日
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「ここは、沖縄 」。思わず叫んでしまった嵐口の町並み

県道333号を北上すると、嵐口地区のはずれにはピンクや黄色のカラフルなコンクリート造りの家が並び、いかにも南国的な風情。まるで沖縄の住宅地で見たような風景を思わせます。同じ熊本県内であっても島の暮らしの文化に触れたようで、旅心も盛り上がります。

あれんじで6年前に訪れた思い出の場所に向かいました。橋でつながっているお隣の牧島にある樹齢300年のアコウの木(天草市指定文化財)がそうです。

あの日、この木の下に涼んでいた年配の婦人たちと楽しく話を交わしたものでした。残念ながら今回は会えませんでしたが、変わらない光景を目にすれば、思い出が鮮明によみがえります。木陰のベンチに座ると潮風とむせるような緑の香りに包まれました。島の夏の匂いです。

御所浦・牧島にあるアコウの木。暴風や防潮を目的として植えられたそうです

外平(ほかひら)地区の今川綾子さん(30)は、町で一番若い女漁師。19歳で旧本渡市から嫁いで以来、夫の雅敏さん(39)とともに、毎日「純漁丸(じゅんぎょまる)」で漁に出ています。今川さん夫妻は、3人の子育てをしながら、雅敏さんの両親とともに、アマナツやデコポンの生産もしています。

「嫁いだ頃は、船酔いもひどくて、魚も触れんかったんですよ」と笑う綾子さん。今では、雅敏さんが綾子さんをリードして、船の上であうんの呼吸で網を投げます。

「網の投げ方やタイミングで、漁の取れ高が変わってくるけん、息が合わんとダメとです。昔っから夫婦げんかすると、魚が捕れんって言うですもんね」と雅敏さんが笑います。

やんちゃ盛りの長男、雷斗(らいと)くん(5)を優しく見守る綾子さんは、控えめながらも、芯の強さを感じさせる正真正銘の“ごしょんなの母ちゃん”です。

今川雅敏さん、綾子さん、左から=遙陽(はるひ)ちゃん(9)、ひなたちゃん(7)、雷斗くん(5)

お気に入りのかき氷を買ってもらい、ご機嫌の雷斗くん