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(1)湯気と人情あふれる厨房で まんじゅう作りの“弟子入り“

(1)湯気と人情あふれる厨房で まんじゅう作りの“弟子入り“

2016年4月16日
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野焼きが終わった俵山から見た西原村と熊本市街の風景

阿蘇外輪山に広がる草原の野焼きが終われば、西原村はこれから新緑の季節を迎えます。

轟音を響かせる「白糸の滝」の周辺も、深い緑に覆われていました。高さ20メートルから滑り落ちる滝。その水煙が、林立の葉陰から漏れる日差しを受けて、キラキラと光りを放っています。

西原村は全国でも少なくなった「村」という行政単位を残しています。そこには、人の深い交流や関わりを感じてなりません。

空気が澄み渡っている白糸の滝

村でおいしいまんじゅうを作り続ける主婦がいます。顔いっぱいに笑顔を広げ、待っていてくれたのが廣瀬みき代さん(76)です。

「まんじゅうば作ってみらんね?こん皮ば広ぐっでしょ。そこにあんこば入れて丸めてごらん」と皮の塊を手渡され、会うなりまんじゅう作りの開始です。

「上手、上手。そしたら、それば蒸し器に入るっとたい」

なんだかすごく楽しくなってきました。この心地よさは、人が集まる祭りなどで共同作業をしながら心を合わせる、「日本人のもやいの心」そのものだと思えます。

「ほい、まんじゅうば作ってみる? 」とみき代さんに皮を手渡されて…

あんを包んだまんじゅうを蒸し器に入れ、約8分でおいしく出来上がります

みき代さんの厨房。窓から、里の景色が見渡せます


廣瀬みき代さんの、この笑顔に癒やされます

みき代さんは夫の義照さん(81)と、もう20数年も毎朝仲良くまんじゅうを作っています。カライモあん、小豆あん、ヨモギ、米の粉まんじゅうの4種はどれも、あんから手作りされる懐かしい味です。

「みきちゃん万十」(5個入り300円)は「俵山交流館・萌の里」(西原村)で販売されている人気商品です。

イベントでもあっという間に完売するという「みきちゃん万十」(5個入りで300円)。「俵山交流館・萌の里」でも販売

まんじゅう作りも一息ついたころ、「ヨモギは今ごろに摘んで年中冷凍しておくとたい。ばってん、摘みに行くとがやおいかん(大変な作業)もんねぇ…」と、苦笑します。

手伝いのごほうびの蒸したてのまんじゅうをほお張りながら、「ヨモギ摘みですね、ついてきます! 山ですか? 川ですか?」と、にわか助手が小麦粉の付いた手を上げると、「ヨモギは土手に生えとるたい」と言って、にこやかな顔が大笑いに変わりました。

俵山のふもとにある「俵山交流館・萌の里」。廣瀬みき代さんのまんじゅう、永田絹子さんの巻きずしと夫の悦郎さんのニンジンも販売されています

高台から眺めた河原地区。左手の先には「阿蘇くまもと空港」があります

問い合わせ

俵山交流館・萌の里