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(2)行列ができるジャンボ中華まん ほお張れば身も心もほっかほか

平野孝次さん(69)、敏子さん(67)ご夫妻

(2)行列ができるジャンボ中華まん ほお張れば身も心もほっかほか

2016年2月20日
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田原坂の下にある「田原坂万十」

田原坂を下ると、小さな直売所が見えてきます。乾物、旬の野菜がそろっており、それらを物色しているうちに、気づけばレジ前に行列ができていました。ここの名物が「田原坂万十」です。慌てて列に並び、手にしたまんじゅうは顔が隠れるほどの特大サイズ。

ニンニクのきいた豚キムチ風の「キムチまん」と、肉や白菜、シイタケ、春雨など具だくさんの「中華まん」は、甘めの生地との相性も抜群で、食べたそばからもうひとつ欲しくなるほどです。

「田原坂万十」の中華まん140円。野菜のうまみがたっぷり染み込んだ春雨が、クセになる味わいです

そこで、このおいしい万十を作っている平原集落にある工房を訪ねました。大きなスチロール箱を抱えて出てきたのは社長の平野孝次さん(69)、品切れの連絡を受け、補充の支度に追われているようです。

臘梅(ろうばい)が甘い香りを漂わせる庭の傍らに、白菜やシイタケがずらり。

「近所の人たちが持って来てくれるんです。この時季の白菜は甘みも格別だから、いつにも増しておいしい中華まんになっていますよ」と、妻・敏子さん(67)がほほ笑みます。

毎朝4時から始まる、具材の仕込みは孝次さんの仕事。幼い頃から大好物だった母の手作り豚まんを、敏子さんのアイデアでアレンジしたのが現在のレシピです。7時になると、敏子さんやご近所のスタッフの方々が作業に加わります。

あっという間に行列が。「昨日は中華まんだったから、今日はあんまん」という常連さんも

自宅の敷地内にある「田原坂万十」の工房はいつも、笑い声で満たされています

平野孝次さん(69)、敏子さん(67)ご夫妻。せいろから立ち上る湯気を浴びているおかげか、皆さんお肌がツヤツヤです

「いつもおいしかですよ。でもたまに“今日のは少し辛か”って言うときもある」と、ベテラン主婦の皆さんのチェックはなかなか手厳しいよう。忙(せわ)しなく手を動かしながらも、よもやま話に花が咲き、工房に笑い声が響きます。集落の和やかなつながりも、田原坂万十のおいしさの秘密のようです。

庭先に干してあった白菜

「田原坂万十」のすぐ横にある田原川にかかる「豊岡の眼鏡橋」。年号のはっきりしている石造眼鏡橋では県内最古。官軍が田原坂を攻める際の拠点となったともいわれます

田原坂万十店