
これぞ益城町のファストフード「ミキのあげたて唐あげ」(100g・200円)
県道28号沿いにある「吉山商店」の「ミキのあげたて唐あげ」は地元の人に愛されているグルメ。皮はカリカリで、かぶりつくそばから肉汁があふれ出すおいしさです。そして、朝早くから手作りされるいきなり団子も人気です。
「お母さん」と呼び親しまれている吉山喜久子さん(78)の顔を見ると、たちまち元気になります。一緒に店を切り盛りしているのが娘のひとみさん(60)と孫の中山恵梨子さん(32)です。新鮮な野菜や果物がそろい、居心地のいい雰囲気にもまれると、立ち話もついつい長くなります。

「吉山商店」には新鮮な野菜や果物がズラリ

家族で店を切り盛りする、左から吉山ひとみさん、吉山喜久子さん、中山恵梨子さん

野菜の細工一つとっても繊細な料理を楽しませます
本格的な四川料理を味わえるのが「藍・天 ran・ten」です。化学調味料を一切使用しない中華料理として評判を呼び、連日にぎわっています。オーナーシェフの満田貴之さん(40)は熊本市内の四川料理の名店で経験を重ね、昨年8月にこの店をオープンさせました。人気は担々麺(たんたんめん)。スープが胃にもたれず、“体に優しい中華料理”だと納得します。ランチやディナーも充実し、野菜の細工一つとっても繊細な料理を楽しませます。

コクがあるのに後味サッパリ。「藍・天 ran・ten」の担々麺(800円・ランチでは750円)

酸味と辛味のおいしさが絶妙な酸辣湯麺(サンラータンメン/800円・ランチでは750円)

寡黙だけれど笑顔が優しい「藍・天 ran・ten」のオーナーシェフの満田貴之さんと妻の結子さん(40)
問い合わせ
藍・天 ran・ten
- 上益城郡益城町広崎660-7 山田店舗1F
- TEL.096-240-6034
- 営/11時半〜14時半、18時〜21時半
- 休/木曜・第1日曜・第3水曜(その他イベント出張あり)
益城町の食文化を代表する甘味
さて春が近づくと、益城町では「木山初市」が開かれます。今年は3月5日(土)から2日間、木山横町周辺で行われます。市の名物が「市だご」。
米粉と水でこねた生地を蒸し、だんごの大きさに成形し、さらしあんでくるんだものです。かつては各家庭で作られ、初市で里帰りする家族や来客をもてなしていたのでした。200年の伝統を持ち、初市開催の2日間で約3000パックが完売するという益城町の食文化を代表する甘味です。
市だごは役場近くの「九ちゃん万十」で買うことができます。女将の池上秋江さん(75)と娘の松原恵美さん(46)が手作りする市だごを求めに、遠方から来店するファンもいて、明るい母娘の笑顔になごみます。
「写真とっと? んならドレスに着替えてこやんね」と言って、新しい割烹着を持ち出すお母さんの、そんな茶目っ気ぶりが大好きなのです。
見慣れた光景の中にある、愛おしい人たちの笑顔や肌の温もり。ほどよく田舎であるからこそのコミュニティーに支えられたこの町での暮らしは、私の人生模様を毎日晴れやかに織り上げています。

「九ちゃん万十」の名物のひとつ「市だご」(5個入り・415円)

益城町役場近くにある人気店「九ちゃん万十」

「九ちゃん万十」の看板母娘、池上秋江さんと松原恵美さん

益城町の春の風物詩「木山初市」。多くの人でにぎわいます(資料写真=益城町役場)
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。