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(2)湖を見下ろす古民家で、 好きなラジオ製作に没頭

120mの谷越えスライダー「ジップスライド」

(2)湖を見下ろす古民家で、 好きなラジオ製作に没頭

2016年1月9日
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田んぼには、稲のひつじばえの緑が。これも冬枯れの風景のひとつです

冬の青空を映してキラキラと光る緑川ダム湖の水面。急傾斜の山々が続く中、そこだけはパッと視界が広がるようです。

緑川ダム湖畔はフットパスのコースとしても人気で、都会の人たちが癒やしを求めて訪れます。

湖畔に広がる田んぼでは、暖冬のせいでしょうか、刈り取った稲の株から“穭生(ひつじば)え”が伸びて緑色を残しています。

湖を見下ろす高台の段々畑を登っていくと、築120年の古民家がありました。そこには、巨瀬(こせ)正道さん(64)・由美子さん(63)夫妻が暮らしています。

「昔、この家は庄屋さんの家だったそうですよ。堂々としたたたずまいに、一目ぼれしました」と語る長崎県出身の正道さんは、10年前に早期退職し、夫妻で福岡県から美里町石野地区に移り住みました。

明治20年ころに建てられたと思われる巨瀬さん宅。堂々としたたたずまいです

ひんやりとした土間、家を貫く大きな梁(はり)。まるで遠い昔にタイムスリップしたかのような空間です。家の中には、古い真空管ラジオや部品が、所狭しと置いてありました。

正道さんは現役時代、NHKのエンジニアで、真空管ラジオの修理はお手の物。その腕が評判となり、全国から修理依頼があるのだそうです。

昭和20~30年代に作られた真空管ラジオを通して流れる音は、不思議なベールに包まれていて、しばらく聞いていると、子どものころのことがあれこれ思い出されてきます。

2階のアトリエでホワイトキルトや日本刺しゅうを楽しむ由美子さんは、手芸やクラフトの指導者です。「“365連休の日々”を満喫しています」と穏やかな笑顔を見せ、好きなものに囲まれる豊かな暮らしを、心から楽しんでいるようです。

真空管ラジオを修理する巨瀬さん。「時代が変わってもラジオの基本的な仕組みが変わらないから、今でも十分楽しめます」と語ります

由美子さんのハンドメードの小物。由美子さんは小規模多機能型施設「コミュニティハウスみんなの家」などで、手芸を教えています

「ピザ窯も炭焼きもいろいろやったけど、結局好きなことだけやって暮らしてます」と語る巨瀬正道さん、由美子さん夫妻

ダム湖畔に昨春オープンしたのが「フォレストアドベンチャー・美里」です。森本来の姿を生かし、高さ15メートル以上もある杉の樹上に木材で作られた数々のアクティビティが用意されています。

「体験してみますか?」。マネジャーの立田晴義さん(45)の言葉に、おそるおそるハーネスを着けます。安全講習を受け、はしごで木の上に上ると、頭が真っ白になり、ひざがガクガク震える久しぶりの緊張感です。手始めは、ロープで120メートル先の谷川の向こう側に滑り渡る「ジップスライド」。

何度か息をのみ、両足を無理やり空中に放つと、そこからは天国! 約30メートル下の谷底を見下ろしながら滑り渡る体験は、密林の王者、ターザンにでもなったかのようなスリルと爽快感に包まれます。

「冬の森の澄んだ空気は、気持ちいいですよ。皆さん遊びに来て下さい」と立田さん。

120mの谷越えスライダー「ジップスライド」=資料写真

計30以上ものアクティビティのほとんどは樹上で楽しみます。スリル満点です=資料写真

「童心に戻って楽しめますよ!」と語る「フォレストアドベンチャー・美里」の=左から=河地宏侑(こうゆう)さん(24)、長田秀雄さん(33)、立田晴義さん

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フォレストアドベンチャー・美里