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(2)床に染みた油の香り 明治の活力を感じて

かつての宇土郡役所の建物

(2)床に染みた油の香り 明治の活力を感じて

2015年12月19日
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「浦島屋」の建物は満州へ移築されました。現在の建物は当時の姿を復元したものです

三角西港に漂うエキゾチックな雰囲気に包まれると、時空を超えて過去を旅しているようです。

開港に続いて建設された「浦島屋」は、三角西港の迎賓館的役目を果たしたホテルです。現在の建物は当時の設計図を元に復元されたものですが、2階のベランダから海を眺めていると、瀬戸を航行する蒸気汽船の姿が見えてきそうです。

「龍驤館」は公会堂として利用されました

「龍驤館」の部屋の窓から見えるソテツ。その向こうには浦島屋があります

1918(大正7)年に建てられた公会堂「龍驤館(りゅうじょうかん)に足を踏み入れた途端、床に染みついた油の香りが鼻孔を抜けていきました。そういえば、高台にある「法の館」(旧三角簡易裁判所)や「九州海技学院」(旧宇土郡役所)でも同じ匂いに包まれました。

どこか、この香りには覚えがあります。思えば、古い駅舎や万田坑(荒尾市)などの炭鉱施設跡でも出合いました。それは、欧米に追いつけ追い越せと力を結集させ近代日本を目指した、“明治の香り”のようにも感じます。

龍驤館の木枠の窓の向こうのソテツを眺めていると、コツコツと誰かの足音が床に響きました。たちまち、ここで起きた物語の中に誘(いざな)われていくようでした。

かつての宇土郡役所の建物。現在は「九州海技学院」の施設になっています

九州海技学院の中庭。壁の色や石段の風合いなど、遠い過去の匂いを伝えています

当時の机など、そのままの姿で残されています(法の館)

高台にある「法の館」の部屋。入場は無料です

1902(明治35)年以前には建てられていた「高田回漕店」。回漕店とは、現在の運送会社や商社です

「九州海技学院」近くの高台からは、三角ノ瀬戸の海が見えます


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