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(4)丘の上に立つ白亜の大江教会 敬けんな信徒らに見守られて

1本につき10コ分以上の果汁を使う

(4)丘の上に立つ白亜の大江教会 敬けんな信徒らに見守られて

2015年11月21日
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のどかな丘陵にたたずむ「大江教会」は、九州各地で多くの教会建築を手がけた鉄川与助によるロマネスク様式の教会。12月6日から1月10日までは美しいイルミネーションで彩られます

大江漁港と天草灘を見守るようにしてたたずむ大江教会。海が玄関口であったということがうかがえます

大江の商店街から「天草西海岸サンセットライン」に乗り、山手へ向けて北上を始めると、突如、左手の丘に「大江教会」の白亜の建物が目に飛び込んで来ます。山々の深い緑を背景にその白さはまぶしいほど。手入れの行き届いた花壇に囲まれたロマネスク様式の優美な姿は、まるでヨーロッパに来たようで、エキゾチックなムードいっぱいです。

禁教令が解かれた後の1891(明治25)年、大江へ着任したフランス人宣教師・ガルニエ神父は、質素な暮らしを徹底し、私財を投げ打って「大江教会」を建てました。ここは今も、約250人の信徒が通う神聖な祈りの場です。

信徒の多くは山手の集落に暮らしています。なかでも、世帯数30戸の芙頭(ふとう)集落は全世帯がキリスト教信仰を受け継ぐ地域。同集落に住む森口茂一さん(79)の祖父は、かつてガルニエ神父の給仕役を務め、紀行文「五足の靴」にも「茂助」として登場した人です。

「小さい頃、野菜を届けに行くと、ガルニエ神父様は『おぉ、来たかーい』って言うて卵ば2つくれよった。それがうれしゅうしてな。子ども心に、みど(御堂=教会)に行くのが楽しみで、いつも走って行きよった」と、森口さんは懐かしそうに振り返ります。

「マリア観音」や「隠し部屋」、仏教のお経を封じ込める「経(きょう)消しの壺」など、信仰を守るために生まれた祈りの形がずらりと並ぶ「天草ロザリオ館」。長崎・天草一帯に広がる潜伏キリシタンの歴史と足跡をわかりやすくまとめた3D映像は、一見の価値あり

(写真左から)堀口文子さん、森口茂一さん、ロザリオ館館長の木本司さん(59)、川俣成子さん(59)。「12月から、青年部で教会のイルミネーションを設置します。何度見ても綺麗ですよ」と堀口さん

自らも質素な暮らしを徹底し、人々のために尽くしたガルニエ神父への感謝をこめ、信徒らが建立した碑。天草の方言で語りかけるガルニエ神父のあたたかな人柄は、今でも語り継がれています

天草ロザリオ館

 

大江教会

  • 天草市天草町大江1782
  • TEL.0969-22-2243(天草宝島観光協会)
  • 開/9時~17時(日曜の9時半〜11時はミサのため、入館できません)
  • 休/月曜
  • ※そのほか教会行事により入館制限がある場合もあります
  • ※教会は祈りの場なので、マナーを守ってご拝観ください
 

朗らかな笑顔に出会うたび、ホッとします

大江教会へ続く遊歩道沿いにある「お菓子のおおくぼ」は、四季折々の柑橘を使った生搾りジュースが名物です。和洋菓子職人でもある大久保勝保さん(73)と妻・久代さん(69)の朗らかな笑顔に出会うたび、ホッとします。

今が旬の早生ミカンは小ぶりのため、1本につき10コ分以上の果汁を使うそう。春はデコポン、夏は晩柑、冬は温州みかんのジュースを味わえます

四季折々のかんきつ類を使った生搾りジュース(1本300円)。無添加のため、その日限りのおいしさです=お菓子のおおくぼ

大久保勝保さん(73)と妻・久代さん(69)。店内では和洋菓子職人でもある勝保さん特製のこっぱ餅のほか、天草塩の会の塩や、天草椿油なども販売されています

お菓子のおおくぼ