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(2)宿場町の風情と 海を望む大パノラマ

(2)宿場町の風情と 海を望む大パノラマ

2015年10月3日
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「佐敷宿」は、薩摩街道の要衝として栄えました

「佐敷宿(さしきしゅく)」は、江戸時代、薩摩街道の宿場町としてにぎわいました。あちこちにひっそりたたずむお地蔵さんや恵比寿さんに水や花が手向けられ、今でも大切にされていることを感じます。かつて、険しい山をやっとのことで通り抜けた旅の一行も、こうした光景にひとときの安らぎを感じたに違いありません。

土蔵や白壁、格子戸など風情ある街並みを歩いてみると、不思議なことに気がつきます。向かい合う建物の間口がどれも通りに対して斜めに立ち、のこぎりの歯のようにジグザグの形に連なっています。

「のこぎり家並み(やなみ)と言うんです。凹んだ部分は、馬をつなぐ場所だったとか、攻め来る敵から身を隠し、攻撃するためだという説もあります」と、「佐敷地区町並み保存会」会長の城戸喜久生さん(66)が教えてくれました。

米屋だった古い建物を改築した「交流館 枡屋(ますや)」。おやつ付きの街道散策ガイドは1人500円(3人〜、前日までの要予約)

佐敷宿の細道から少し行ったところにある「城戸酒店」。城戸さんのお店です


街並ガイド・城戸喜久生さんの話には「佐敷城は薩摩軍に乗っ取られたことがあるが、敵の首謀者らが酒宴に興じすぎ、3日で奪還された」など、驚きのエピソードも

佐敷宿や佐敷城ゆかりの焼酎はお土産にうってつけ。ラベルのイラストは、城戸さんが描きました

佐敷宿を見下ろす山頂には、加藤清正が築城したとされる佐敷城跡(国指定史跡)があります。薩摩に対する守りの城として築かれ、江戸時代の「一国一城令」により建物や石垣は取り壊されましたが、現在は石垣だけが復元されています。

かつての本丸から360度のパノラマを望めば、芦北の海と山が一望できます。毎年9月には、狂言や薪能を楽しむ観月会が催されるなど、地域の人々の憩いの場にもなっています。

佐敷宿から佐敷城跡への道中にある愛らしいお地蔵さん=「八十八札所地蔵群」

自然石ののづら積みや平たい石の鏡積み、熊本城と同じ布目積みなど、石の積み方は3種類。築城時期の違いを比べてみるのも面白いものです=佐敷城跡

佐敷城跡からの眺め。芦北大橋や入り江も見渡せ、秋から冬にかけては、天草の島々の影に沈む夕陽が美しいそうです

芦北町薩摩街道佐敷宿 交流館 枡屋

のこぎり家並散策ガイド