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(1)250年の伝統誇る八朔祭 始まりは農林業への感謝

下市連合組の棟梁、橋本浩彰さん

(1)250年の伝統誇る八朔祭 始まりは農林業への感謝

2015年9月5日
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谷あいに青々と広がる棚田。本格的な秋を迎えれば、黄金色の穂波が揺れる光景へと様変わりします

鮎の瀬大橋。橋の上から眺める緑仙峡のパノラマは圧巻です

「八朔祭は、旧矢部町の伝統的な祭りです」と山都町商工会会長の田辺成一さん

暦の上では秋ですが、いまだに蝉時雨(せみしぐれ)を耳にすれば、残暑の長さを感じずにはいられません。それでも山間の棚田には白い稲の花が咲き、雲がちぎれて流れると、少しずつ秋が近づいているような気がします。

矢部地区の中心部では本日より2日間(9月5日・6日)にわたり、八朔祭が行われます。八朔(旧暦8月1日)の日に五穀豊穣と豊作を願うこの祭りは江戸中期から始まったとされ、およそ250年の歴史があります。

「八朔祭は、昔から矢部の人たちが大切にしている祭りです。この町は農林業とともに発展してきました。商家の人たちが農家の人たちをねぎらおうと、手厚くもてなしをしたことに始まります」と話すのは、山都町商工会会長の田辺成一さん(66)。

八朔祭の見どころは、大造り物。各団体が技術を競い合いながら、個性的な作品を作り上げます。何体も登場する大造り物をにぎやかに引き回しながら、商店街を練り歩く光景は見ものです。

祭りを前に、大造り物に取り組んでいる下市連合組の現場を訪れました。作品を囲むように足場が組まれ、棟梁の橋本浩彰さん(54)を中心に作業が進められていました。

八朔祭に向けて、大がかりな大造り物を制作している、下市連合組のみなさん

資料写真に実際のサイズを書き込んだだけの図面

足場を組んでの大造り物の制作

下市連合組の今年の出し物は「鷹と鯉」。材木と竹などで骨組みされた、高さ5mほどの大がかりな作品で、ちょっとした建物のようです。でも設計図はらしきものは見当たらず、資料写真に実際の長さの数字が書き込まれてあるだけ…。

「細かい設計図は頭の中にちゃんとありますよ(笑)。実際の向きや表情は、感覚で仕上げていくんです」と橋本さん。

大造り物には地区の近隣でとれる、竹、スギ、ススキ、松かさ、ハギ、シュロの葉といった自然素材が使用されます。広場には材料のハギの枝が広げられ天日干しされていました。羽根の部分に使われるものでしょうか。出来上がりが楽しみです。

「設計図は頭の中にあります」という下市連合組の棟梁、橋本浩彰さん

大造り物の素材の一つ、ハギを乾燥させている下市連合組のスタッフ

山都町商工会(本所)