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(8)要望に応え続けていたら 気がつけばメニュー豊富に

(8)要望に応え続けていたら 気がつけばメニュー豊富に

2015年7月18日
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この日のおすすめ「あじの漬け丼とだご汁のセット」(950円)。注文を受けてからさばくというアジはプリップリの食感です。すまし仕立てのだご汁は野菜たっぷりで上品な味わいです

左から、味千ラーメン苓北店スタッフの金子美知子さん(37)、小川初美さん(55)、女将の金子幸子さん、山下龍子さん(63)

海沿いの国道324号に面した「味千ラーメン苓北店」に一歩足を踏み込むとちょっとびっくりします。壁に貼られたメニューの多彩さといったら。海鮮丼や刺身定食、ハンバーグまであり、明らかに、ラーメンより定食が豊富なのです。

そもそもの始まりはラーメン店なのか、それとも和食店からラーメン店に移行したのか気になって、女将の金子幸子さん(63)に尋ねました。

「創業以来33年、今もずっとラーメン屋ですよ(笑)。でも、地元のお客さんが宴会で使ってくれるようになってね。天草の宴会に刺身は欠かせないから、生け簀(いけす)を入れて、いつでも活魚を提供できるようにしたんです」

女性客のためにと手作りデザートの提供をはじめ、今では持ち帰り用のケーキコーナーまでできています。

「魚も野菜も、ケーキに使う果物もできるだけ天草のものを使っています。最近では、誕生日ケーキの注文もあるんですよ。お客さんが喜んでくれればそれでいいの」。あくまでも客のリクエストが優先と、忙しそうでした。

会う人会う人それぞれに、この地に根づく歴史や文化、自然と向き合い、次世代へとつながる“何か”をつくり出そうとしていました。気づけばすっかり日暮れ。この日の夕陽は、長崎半島に沈んだ後もいつまでも力強い光で空を照らしていました。

「味千ラーメン苓北店」からほど近い海岸に干潮時だけ現れる直径約2mの「おっぱい岩」。女性の乳房のような形であることから、そう呼ばれています。普賢岳の噴火で飛んできたという伝承もありましたが、近年は周囲にある黒色頁岩よりも強い石灰質の岩のため、浸食や風化によりこの形ができたという説が有力です

「おっぱい岩という名前で騒がれるようになったとは最近。誰かが見つけたっじゃろうな。潮がひいとらんと見えんけん、地元の人もなかなか気がつかんだったっでしょうもん」とミナ貝採りをしていた坂瀬川の漁師、濵﨑萬高さん(73)

長崎半島に沈む夕陽

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味千ラーメン苓北店