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(1)大人も小学生も千人が参加 町を挙げ熱狂するペーロン

(1)大人も小学生も千人が参加 町を挙げ熱狂するペーロン

2015年7月18日
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すぐそばで見ると、気迫が伝わってきます

「ペーロンがないと、夏が来ない」。苓北町に真夏の到来を告げるのがペーロン大会です。340年前に長崎から伝わったといいます。

ペーロンと呼ぶ小船に22人~26人が乗り込み、手こぎでスピードを競います。小学生から大人まで、男も女もまさに町を挙げての参加で、青い海原を白いしぶきを上げて疾走するペーロンに誰もが心を躍らせます。

町のシンボル・富岡城跡の眼下に広がる海、通称・袋湾(巴湾)ではこの時季、熱の入ったペーロンの練習風景を見ることができます。

「ヨーイショ、ヨーイショ」

太鼓のリズムにのせて、小気味いいかけ声が響いてきました。細長いペーロン船が目の前をツツーッと、すべるように進んでいきます。

一糸乱れぬ櫂(かい)さばきを見せるのは、「都呂々若獅子会(とろろわかじしかい)」。同会は、都呂々地区を中心に20~40代の男性が所属します。櫂のしぶきがきらめく様子や、たくましい男たちのシルエットが美しく、しばし見惚れてしまいました。

優勝争いの常連でもある「都呂々若獅子会」。7月25日の「長崎ペーロン選手権大会」にも招待されており、同日までは専用の木製船で練習をしています

8月1日(土)開幕の「苓北じゃっと祭」のフィナーレを飾るのが、同2日(日)に行われる「天草れいほくペーロン大会」です。一般男子(1000m)、男女混成、中学生、小学生(各500m)の4部門に約30チーム、1000人が挑む一大イベントです。

都呂々若獅子会を指導する田平龍彦監督(57)が乗る動力船にお邪魔して、練習を間近に拝見しました。船上から海をのぞき込むと、海底にメカブが揺れ、魚がすぐ目の前を泳いでいます。透明度が高い、袋湾ならではの光景です。

すると、ペーロン船からタイヤが投げ込まれました。

「タイヤを引っぱって、ペーロンの負荷を上げ、漕ぐ力をつくっとです」と田平監督。素人目には、負荷を感じさせない漕ぎっぷりですが、“鬼軍曹”と呼ばれる田平さんからは、細かな指示が飛びます。

「顔を上げて、もっとしっかり漕いで!」

数キロ走ったところでやっと休憩のようです。

「漕ぎ方や水のつかみ方など、まだまだ課題は山積みです。毎日2時間の練習はきつかですけど、“鬼軍曹〟の熱意に応えたくて」と、キャプテンの松本貴憲さん(37)。

「ペーロンの魅力は、団結力と終わった後の爽快感ですかね」と岩下勝也さん(39)は、すがすがしい笑顔を見せます。

「昔のペーロンはもっと厳しく“根性で漕げ!”って言いよったですけどね。今はもう、スポーツですよ」と、監督・田平龍彦さん。自身も23年のペーロン歴の持ち主です

都呂々若獅子会キャプテンの松本貴憲さん