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(3)特産の育成を図るベテラン 県外から就農する新人も

鰐川さんのトマト

(3)特産の育成を図るベテラン 県外から就農する新人も

2015年7月4日
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「フワフワの葉の中にホオジロが巣を作っているんですよ」と室治夫さん

水に恵まれた一の宮の大地には農産物も豊富に育ちます。

「トマトやイチゴに次ぐ特産品に育てたい」と話すのはグリーンアスパラガス農家の室治夫さん(65)です。17年前、JA阿蘇一の宮の指導課に勤めていた室さんは、当時、農家の高齢化に悩んでいました。

「阿蘇の農業を衰退させたくない、高齢の生産者でも負担なくできる作物は何か」と考えグリーンアスパラガスに着目。自らもJAに勤務しながらグリーンアスパラガスの栽培を始めました。

ビニールハウスの中に入ると、小さなフサフサとした葉が生い茂る親芽の下に、土の中からグリーンアスパラガスの新芽が顔を出しています。

「高冷地で寒暖の差のある土地だからおいしく育つんですよ。グリーンアスパラガスも生き物。恋人に接するように気持ちを込めて育てるのがコツかな(笑)」

朝収穫されたばかりの室さんのグリーンアスパラガス。夏芽は7月~10月中旬まで収穫されます

親芽から養分をもらいニュッと伸びるグリーンアスパラガス。一晩で10cmも伸びることもあるとか

一方、一の宮町に新天地を求めて移住してきた人もいます。坂梨小学校の近くでトマトを栽培する、埼玉県出身の鰐川(わにかわ)雄太さん(43)です。

東京で会社員をしていた8年前、大分県九重町の自然学校のスタッフとして勤務するため、妻の裕子さん(40)とともに九重町に移住。さらに5年前に一の宮町に移って約6カ月間研修し就農しました。

鰐川さんは、就農することに以前から関心があったものの、踏み切れずにいたそうです。

そんな中で「私の言う通りに一生懸命努力すれば必ず稼ぐことができる!」と言う一の宮町の生産者と運命的に出会いました。「さっそく、その人に弟子入りして、トマト作りを習ったんです」と振り返ります。

青い実が付きはじめた鰐川さんのトマトハウスは、枝をはわせる無数の支柱がまっすぐ奥まで整然と並び、手入れが行き届いていることがうかがえます。

「今は、師匠の教えの通りのやり方です。研修中は、人生の中で一番怒られましたからね(笑)。しっかり身についています」と笑う鰐川さん。結果は自分の努力次第という農業に、やりがいを感じていると話します。

これから赤く色づく鰐川さんのトマト。黄色い花も咲いていました

「九重町で住んでいたのが山の上だったので、僕も妻も一の宮は都会だなと感じてます」と鰐川雄太さん。待望の長女も誕生し、現在、妻の裕子さんは子育て真っ最中です

「師匠の教え通り」という、整然と手入れの行き届いた畑作りに感動しました