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(3)湯島大根農家は江戸っ子 熊本弁もすっかり身について

島でカスミソウを作っている森嵩博さん

(3)湯島大根農家は江戸っ子 熊本弁もすっかり身について

2015年6月20日
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休日を利用して宇城市松橋町から湯島に遊びに来ていた上村裕美さん(左・34)と古閑絵美さん(34)

緑に包まれた湯島の諏訪神社

頂上から諏訪神社方面へと下る途中で出合った風景

島の頂上にある峰公園。展望所から美しい海が見えます

湯島名物と言えば、湯島大根。島の肥えた土壌で育てられる湯島大根は、果肉が軟らかく水分を多く含んで甘みがあります。毎年12月ごろから出回り始めますが、すぐに売れ切れになるという幻の大根です。

しかし、さすがに夏場にはありつけないだろうと覚悟していたら、夏大根が作られていると聞いて、生産者の一人でJAあまくさの伊藤隆祥(たかよし)さん(52)を訪ねました。

「あるばい、湯島大根。畑まで行ってみるね?」。日に焼けた恰幅(かっぷく)のいい隆祥さんですが、実は東京生まれの江戸っ子だと聞いてびっくりです。使い慣れた熊本弁には何の違和感もなく、どこから見ても湯島の人にしか見えません。夏大根もさることながら、隆祥さんのプライベートに興味津々です。

江戸っ子で熊本弁を使う伊藤隆祥さん。いい笑顔です

伊藤さんが作った夏の湯島大根。みずみずしくておいしいのです

島の頂上には畑が広がります。どこか沖縄の風景にも似ています

隆祥さんはかつて築地市場で野菜の仲買人をしていました。

「女房が島に帰りたいって言い出して。俺もこの島が好きだったし、一度、東京を離れてみてもいいかなって」

湯島に来て、隆祥さんは義父の手ほどきを受け、仕事の合間に湯島大根を作りを始めたのでした。「冬大根もおいしいけど、夏のもけっこううまいんだよ」と、大切に育てた大根を引き抜きながら隆祥さんが放った一言が実にユニーク。

「築地じゃ、安く安くと値を競っていた俺が、今は高く高くと高価格を求める生産者に。人生って、面白いね(笑)」


風に揺れるカスミソウの可憐な姿

さてもう一つの湯島の名産品が、カスミソウです。親子で花作りをしているのが森嵩博さん(27)です。嵩博さんは農大を出て4年前に島に戻って就農しました。

「父=教孝さん(60)=がライバルですが、まだまだ勝てません(笑)。島に戻るとき、カミさんが快くオッケーしてくれたのがうれしかったですね」という嵩博さんは、長女(3)と長男(2)の4人家族です。

風に揺れるカスミソウの可憐な姿。嵩博さんの優しくて穏やかな表情が、その花作りに表れているような気がしました。

島でカスミソウを作っている森嵩博さん。おだやかで優しい青年です