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(2)「うろんころん髙瀬」が提案する 商店街の出会いと発見

(2)「うろんころん髙瀬」が提案する 商店街の出会いと発見

2015年6月6日
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「髙瀬商店街」の通り

高瀬裏川を背に南北に長く延びる「髙瀬商店街」の中心部。通りには昔ながらの茶箱がお茶屋の店先に積まれています。茶箱に店名が右から書かれているのをみると相当な年代もののようです。

のぞいた路地の奥に、ひっそりとかかる飲食店の赤い看板。向いの板壁に取り付けられたランプはつる草のようにカーブした柄が古風で、懐かしい昭和の街角が目の前に現れたような気持ちがしてきます。

商店街から高瀬裏川へ抜ける細道に入ると、ほの暗いその先に初夏の光がまぶしいせせらぎがありました。流れをまたぐ「酢屋橋(すやばし)」は真ん中がごくゆるくせり上がり、幕末から明治時代の建築と推定される石の肌には、歳月を物語る白緑(びゃくろく)色のまだら模様が浮かびます。

髙瀬商店街作成の町巡りプラン「うろんころん髙瀬」というパンフレットを見つけたので、それを片手にさっそく散策へ。

後列右から田尻義晴さん、娘の藤村美紀さん(45)、従業員の橋口セイ子さん(69)。前列右から孫の藤村光咲(ありさ)ちゃん(8)、一花(いちか)ちゃん(5)= 田尻高瀬飴製造本舗

すべて手作業という「田尻高瀬飴製造本舗」を訪ねました。同店の高瀬飴は、カラ芋から作る麦芽水あめが原料。素朴な味わいが郷愁を誘います。

「母乳の出が良くなる」といわれ、昔は産後見舞いに用いられたとか。「以前は日本刀で切り分けとったつよ」と笑う店主の田尻義晴さん(71)は、毎朝3時に起きて朝食も食べずにその日の分約三千個を仕込みます。

半乾燥状態の高瀬飴を長い刃物で一気に切り分けるには熟練が必要= 田尻高瀬飴製造本舗

問い合わせ

田尻高瀬飴製造本舗

 

見事な技は一見の価値あり

田尻さんに負けず元気な「本田帽子店」の本田勝春さん(73)は、愛用のミシンを駆使してフリーハンドのネームししゅうを行い、その見事な技は一見の価値ありです。

「本田帽子店」の本田勝春さん(73)と妻の尚子さん(72)

さまざまな帽子が並ぶ「本田帽子店」の店頭

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本田帽子店

 

お菓子作りをするならマークしておきたい一軒

和菓子あん製造販売店「あん工房港屋」は、あんこ屋なのに港屋(?)。理由はかつて水運業を営んでいたらしいことから。家庭でお菓子作りをするならマークしておきたい一軒ですね。

「あん工房港屋」の店内には、購入したあんで羊かんを作る方法も掲示されています

「蒸気窯を使い高温で練り上げるので、その分日持ちがいい」という「あん工房港屋」の白あん(1kg850円)・黒あん(同・750円)。販売は500gから。その他のあんもあり

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あん工房港屋

 

懐かしい風情

同じく米の水運をルーツとするのが、味噌・醤油醸造「吉永商店」。店主の吉永正弘さん(51)は髙瀬商店会会長として街の活性化にも尽力しています。墨書きの袖看板を頼りに木戸を開けると土間には量り売りの大きなみそ樽があり、懐かしい風情です。

「吉永商店」のレトロな店構え

量り売りの麦みその原料は、100%九州産で1㎏570円。他に、オリジナルの「高瀬しょうぶ醤油」(480円)やフリーズドライの味噌汁もおすすめです

「吉永商店」の吉永正弘さん。「時代とともに新しい息吹が加わる商店会活動を通じて、街を元気にしていきたい」

問い合わせ

吉永商店

 

“パワースポット”としても有名

帰路は、その由来が約二千年前にもなるという「疋野神社」へ。足元の玉砂利は落ち葉一つなく掃き清められ、樹齢600年余のクスノキなどが高くそびえて新緑を揺らします。境内の“長者の泉”は県内外の人が訪れる水汲み場で、“パワースポット”としても有名です。

肥後の“左甚五郎”とうたわれた宮大工・島田藤兵衛の子、甚三郎が手がけた「疋野神社」本殿。元禄4(1691)年、細川綱利藩主によって造営されました

「疋野神社」の本殿後方には玉名温泉の由来にまつわる“疋野長者”のご神陵があり、福を祈る参拝者が絶えません。(写真は“長者の泉”)

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通称“熊本酵母”で仕込んでいます

「錦の露酒店」の吉田昌史さん(41)。店内カウンターは“角打ちバー”として利用でき、時にはコンサートも。純米吟醸「錦の露」は1728円(720ml、他に300ml、1800mlもあり)。熊本県産酒米“吟のさと”を全量使用し、通称“熊本酵母”で仕込んでいます

「髙瀬商店街」の一角にある「錦の露酒店」の大正7年ごろの酒蔵のようす

問い合わせ

錦の露酒店

 

“うろんころん髙瀬 あきないめぐり”

商店街案内希望の方は前日までに同協会へ申し込みを。
案内料金は500円(お土産付き)、所要時間約2時間。
※時季その他の都合で見学できない箇所もあります。
問/玉名観光協会 TEL.0968-72-5313(9時~19時)

各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。