生活情報紙「あれんじ」公式サイト

(4)歴史ある温泉に新たな魅力 川のほとりに浮かぶように

「カリーランチセット」

(4)歴史ある温泉に新たな魅力 川のほとりに浮かぶように

2015年5月16日
|

昭和34(1959)年の湯の鶴温泉(水俣市立図書館蔵)

水俣市街から、南東の山手へ車を走らせると、新緑の木立が連なります。しばらく進むと、昭和の面影を残す温泉街「湯の鶴温泉」が、川のほとりにぽっかりと浮かびあがるように見えてきます。湯出川(ゆでがわ)沿いにある「湯の鶴温泉」は、その泉質のよさから、かつては多くの湯治客でにぎわいました。

2年ほど前から、新たにカフェや物産館などがオープンし、歴史ある温泉地に新しい風を吹き込んでいます。

しっくいの白壁が印象的な観光物産館「湯の鶴迎賓館鶴の屋」も立ち寄りスポットの一つ。

1階左手のセレクトショップは、ギャラリーを思わせる洗練された空間です。

1階右手のカフェでは、水俣で採れた茶葉を使った和紅茶と甘味をいただきました。こっくりと深い味わいの和紅茶は、坂の多い温泉街散策の疲れを癒やしてくれます。

和カフェ、ショップ、レストランを備えた物産館「鶴の屋」。地元の食材とコラボしたジャムやドレッシングなどがオススメです

カフェでいただいた和紅茶とまんじゅうのセット600円

鶴の屋では、日替わりのイタリアンビュッフェが人気です(1500円)。メーンディッシュ(和王のグリル)をプラスすると2800円


「この季節は、水俣の新茶を多数とりそろえています」と、「鶴の屋」店長の山田靖幸さん(30)

問い合わせ

湯の鶴迎賓館鶴の屋

 

町の人の温かさに応えるように、優しく滋味深い味

「諸国屋本舗」は、築90年の古民家を改造したカフェです。店長の加治屋佑美さん(30)は、2年半前に鹿児島市から移り住んできました。

「町の人はみんな親切。畑で採れた野菜や、晩ご飯のおかずを持たせて下さったり。ありがたいです」。そう言ってほほえむ加治屋さんとスタッフの皆さんがタマネギをじっくり煮込んで手作りする「諸国屋カリー」は、町の人の温かさに応えるように、優しく滋味深い味でした。

季節の野菜がたっぷりトッピングされた「カリーランチセット」1080円=諸国屋本舗

「おからの肉団子のトマトビーンズのランチセット」1080円=諸国屋本舗

「ヘルシーな料理と雰囲気を楽しんで下さい」と、「諸国屋本舗」スタッフの三塩洋子さん(左・53)と高倉鼓子さん(27)

問い合わせ

諸国屋本舗

 

若い人たちが盛り上げてくれて、町が元気になりました

この地で長年よろずやを営む「田中食品店」の田中憲子さん(67)は「昔は、諸国屋とか平野屋とか、たくさん旅館があって、ここは、湯治場としてもね、にぎわいよったですよ。しばらくは寂れとったけれど、近頃は若い人たちが盛り上げてくれて、町が元気になりました」と笑います。

「昔は魚屋もしよりました。湯治客に刺し身ば配達しよったですよ」と田中食品店の田中憲子さん


肌に優しい湯に、体と心がほぐれていくよう

「これからの季節は、川沿いにホタルが舞って、きれいかですよ」。そう語るのは、今年3月にリニューアルオープンしたばかりの「湯の鶴温泉保健センターほたるの湯」の柏木精一さん(66)です。

マキの木で縁取られた真新しい湯船に身をゆだねると、肌に優しい湯に、体と心がほぐれていくようです。

初夏の風に誘われるように、歩いた水俣。まぶしく光る海や澄み渡る青空に、今日出会ったこの町の人たちの朗らかな笑顔を思い出すのでした。

「新・日本百名湯」にも選ばれた湯の鶴温泉。「ほたるの湯」は、柔らかな泉質が、打ち身などによいと言われています

「県外から帰ってきました。だからこそ湯の鶴のよさがわかります」と「ほたるの湯」の柏木精一さん

問い合わせ

湯の鶴温泉保健センター ほたるの湯