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(1)キビナゴ満載で帰る夫婦船 セリの熱気こもる早朝の港

とろ箱いっぱいのキビナゴ

(1)キビナゴ満載で帰る夫婦船 セリの熱気こもる早朝の港

2015年4月18日
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夜明けの牛深港。ハイヤ大橋の橋桁の灯りが海に映って幻想的です

まだ夜が明けきらぬ午前6時の牛深港。ハイヤ大橋の橋桁から照らされる灯りが、黒々とした海に映り、揺らめきます。

カモメが数羽、揺れる波の上に浮かびながら、虎視眈々(こしたんたん)と何かを狙っています。どうやら、宿敵のトンビが起き出す前に、港の獲物にありつこうという魂胆のようです。

カモメたちがにわか動き始めたかと思うと、漁を終えた船が、次々と漁協(天草漁業協同組合牛深総合支所)の岸壁に入ってきました。一方、漁協の市場では、水揚げされたばかりの魚のセリが始まりました。

早朝から始まるセリ(天草漁協牛深総合支所)

セリ板を見せてくれた、大久保義徳さん(59)

刺し網漁について教えてくれた漁協の永井清一さん(38)

次第に空がしらみはじめ、朝の港に活気が出てきたころ、一隻の夫婦船が戻ってきました。原田誠さん(40)所有の「光栄丸」です。船が岸に横付けされると、氷の入ったいけすから、牛深名物のキビナゴが水揚げされます。

原田さんのキビナゴ漁は、刺し網漁です。午前2時ごろ漁場に向かい、キビナゴがいそうな瀬の近くに刺し網を投入します。それから集魚灯(水中灯)を照らし、光に反応したキビナゴ群が網に刺さるのを待つのです。この日はとろ箱10杯ほどの水揚げになりました。

刺し網漁でしとめた、とろ箱いっぱいのキビナゴ

船のいけすからキビナゴを水揚げする原田誠さん

息もピッタリの夫婦船。原田誠さんと妻の利恵さん

「父親の後を継いで17歳で海に出たばってん、漁師はイヤだと大阪に出ました。ばってんが、やっぱ、牛深の海ば忘れきらんでね」という誠さんの漁師歴は22年。そんな夫を支えるのが妻の利恵さん(41)です。

利恵さんの一日はハードです。夜中に海に出て漁を終えるのが朝の7時ごろ。家に戻り、子どもたちを学校まで送り届け、3時間ほど仮眠を取った後、家事をこなします。夕食を終え、夜の10時ごろに就寝し夜中に起きだし、また漁に出るというスケジュールです。

「海に出て6年です。最初は何も分からず、ついてくのに必死でした。船酔いもしましたけど、辛いとは思ったことはないです。お義母さんという先輩にいろいろ教えてもらってます。夫の両親も夫婦で船に乗ってたんですよ」と利恵さん。

一仕事を終えて原田さんが言いました。「これから焼酎で一杯やります。これがたまらんとですよ(笑)」。その隣でコロコロと笑う利恵さんの、屈託のない笑顔が印象的でした。

キビナゴ料理は、近くの「うしぶか海彩館」2階の「レストラン・あおさ」で味わうことができます。

真っ暗な時間に水揚げをする漁師さんたち

牛深に来たならば、ぜひとも食べておきたい鮮度抜群の刺し身。「刺身定食」1300円(レストラン・あおさ)

さっぱりした風味のキビナゴをさまざまに料理した「きびなごづくし膳」1300円(レストラン・あおさ)

問い合わせ

レストラン・あおさ、喫茶ハイヤ

  • 天草市牛深町2286-116
  • TEL.0969-73-3818(うしぶか海彩館)
  • 営/8時半~17時半(OS17時/喫茶ハイヤ)
  • 営/11時~21時(OS20時/レストラン・あおさ)
  • 休/第3火曜