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(1)地域見守るクスノキの大樹 神社や伝説に残る海の記憶

「綿津見神社」

(1)地域見守るクスノキの大樹 神社や伝説に残る海の記憶

2015年2月21日
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有明海沿いを走る国道501号が町を横断します。玉名市岱明町は、加藤清正の時代から干拓が進み、海へ海へと広がる田畑が生まれたところです。国道を挟んで海側には玉名平野が広がり、反対側は小岱山の峰々が連なります。

山側に入ると、家々の間を道が入り組み、営みの風情を感じます。そんな細い道を分け入っていくと、濃い緑の葉を茂らせる見事なクスノキを見つけました。

貴船神社の境内いっぱいに枝を伸ばすご神木のクスノキ

貴船大明神、春日明神、住吉明神の三柱を祭る「貴船神社」

「拝殿は戦後まもなくの資材が手に入らない時代、ある材料で建てました。きちんと建て直そうという計画もあります」と有働寿治さん

奈良時代(766年)、京都の貴船神社から分霊されたと言われる野口地区の「貴船神社」のご神木(玉名市指定天然記念物)です。

「このご神木は貴船大明神の分霊を移した際、その御用船を結び留めた木だと伝えられています。その時の船の檣(ほばしら)が境内に埋められています」と近所に住む有働寿治さん(83)。神社は国道208号沿いにあり、ここまで海だったというから驚きです。

幹回りは約7.7mもあり、有働さんによると「岱明一の大木」なのだとか。毎年10月9日の大祭前に、有働さんら地域の人たちが手作りのしめ縄を飾ります。

「40年くらい前はシロアリに食われて弱ってたんですがね、ボヤで一部が燃えてしまって。でも煙に燻(いぶ)されたせいか、かえって元気になったんですよ」。そんな生命力を持つクスノキの幹に触れただけで、エネルギーをもらった気がします。

玉名市役所岱明支所近くの変形交差点

交差点の一角にある「新居商店」をのぞくとかわいい招き猫が

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貴船神社

 

春がすぐそこまで来ていることを感じます

現在は内陸にありながらも、かつては海だったのかもしれないと思わせる神社がもう一つありました。八体の龍王を祭る浜田地区の「綿津見(わたつみ)神社」。“綿津見”とは海の神のことです。

参拝すると、今にも動き出しそうな精巧な龍の彫刻が拝殿の唐破風(からはふ)に施されています。

神社の周辺は静かな住宅街ですが、境内の下には小さな池を配置した公園があります。園内を散策しながらふと空を見上げると、梅の木にたくさんのつぼみが付いていました。少し膨らみはじめたものもあり、春がすぐそこまで来ていることを感じます。

干拓の平野を見下ろすように立つ「綿津見神社」

綿津見神社の向かい側にある公園。梅や桜の木が随所に植えられています

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綿津見神社