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(1)樹齢はなんと600年以上! 秀吉も驚いた大イチョウ

北側の幹の枝は、がっしりした柱に支えられています

(1)樹齢はなんと600年以上! 秀吉も驚いた大イチョウ

2015年1月17日
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黄葉真っ盛りの「下田のイチョウ」と吉田豊さん(昨年11月22日撮影)=提供写真

東側から見た「下田のイチョウ」。熊本市南区が策定したフットパス「城南『下田のイチョウコース』」の目玉ポイントです

冬色の光景が広がる熊本市南区城南町を流れる浜戸川。岸辺に立つと、青鈍(あおにび)色に静まる水面には、点々と群れて羽を休める鳥たちの姿が見えます。

その浜戸川近くの城南町中心部にさしかかると、遠くからも目を引くイチョウの大樹が目に入りました。それが、県内でも有数の大きさを誇る「下田のイチョウ」(同町隈庄、国指定天然記念物)です。

「天正15(1587)年、秀吉の島津征伐の時には、隈庄城(南区城南町、現在は城跡)に滞在しとった秀吉が、城から見える木のあまりの立派さにわざわざ見物に来たと伝えられています」と話すのは、イチョウのすぐ近くに住む吉田豊さん(82)。

そんな大木を眺めながら育った吉田さんにとって、イチョウは兄弟のような存在です。「子どもんころは、秋の終わりに散った葉が木の下の坂道にびっしり降り積もってな、切った竹やらをそり替わりにして、草スキーんごつ滑るとが楽しみだった」と、昨日のことのように懐かしみます。

「下田のイチョウ」の幹は大きく2つに分かれており、その北側の幹を指さして、「これが『北幹(ほっかん)』、その南側が『南幹(なんかん)』」と吉田さん。

そんな会話を聞きつけて、通りがかりの自転車を止めたのが90歳になるご近所の渡辺治子さんです。実は渡辺さん、町の依頼を受けて、もう30年あまり「下田のイチョウ」の周りの清掃を続けています。

「時間はた~っぷりあってヒマだけん、1日に何度でんイチョウんとこに来るとよ(笑)」。渡辺さんにとって「下田のイチョウ」は、日に何べんも通いたくなる身内のようなかわいい存在なのでしょう。

北側の幹の枝は、がっしりした柱に支えられています

「下田のイチョウ」を見上げながら育った吉田豊さんと渡辺治子さん

東側の車道から見た「下田のイチョウ」。長く伸びた根は、左手(南側)の元清酒工場の建物下にまで達しているそうです