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(2)「火の君」の名で町を盛り上げ 城南特産の香り高いイチゴ

丹部さんのイチゴ

(2)「火の君」の名で町を盛り上げ 城南特産の香り高いイチゴ

2015年1月17日
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昭和の商店街の雰囲気漂う金屋町の通り

「火の君巻き」(400円)は熊本市城南地域物産館「火の君マルシェ」などで販売

城南町の契約農家の米で作るすし飯を使い、甘辛く煮たかんぴょうや香ばしい卵焼きなどの具がたっぷりの「火の君巻き」

「下田のイチョウ」からほど近い場所に、昭和の面影を残す通りがありました。

「ここは、古くから『金屋町商店街』と呼ばれ、昔は城南のにぎわいの中心の一つだったとですよ」と話すのは、通りに面した家から出てきた渡並良子(となみ・りょうこ)さん(62)。人影は往時と比べて減りましたが、渡並さんは城南町の元気を盛り上げる新名物を作っています。

それが、1日に約150本は売れるという巻きずし「火の君巻き」。この地に君臨した古代の豪族「火の君」にちなみ、一般的な巻きずしよりもやや大ぶりなサイズと、夫の政年さん(61)が夜中から明け方までかけて仕込む、手作りの味が評判です。

「なんさま仕事が楽しか」という政年さんは、夜通しの作業も苦にならないようす。2人は「仕事も休日もいっしょ」という仲睦まじさ。今日も仲良く、厨房で腕を振るっています。

金屋町の通りの中ほどには、菊池武房が文永2(1265)年に建立した県内最古の禅宗寺院のものと伝わる「『能仁寺』山門石柱」があります。当時、寺の中心部はさらに約200m東にあったといいますから、その壮大な規模がしのばれます。

金屋町の通りの中ほどに建つ「能仁寺」山門石柱

仲良く「火の君巻き」を作る渡並さん夫妻


冬の向こうにある春の香り

さて、城南町名物のイチゴを栽培している農家の一つが、「丹部(にべ)ストロベリーファーム」(同町丹生宮)の丹部正一さん(56)です。

イチゴ一筋36年の丹部さんのハウスでは、奈良発祥の「アスカルビー」や、桃のような香りが特色の「桃薫(とうくん)」、ジューシーでさわやかな「かおり野」などを栽培しています。品種ごとに実りの最盛期が違い、出荷はこれから6月ごろまで続くといいます。

「大きな山の陰もなく日照にも恵まれているこのあたりは、イチゴ栽培に向いています」と丹部さん。甘い香りが漂うハウスの中で、「一つ、食べてみなっせ」と差し出された大粒のイチゴ、冬の向こうにある春の香りを感じます。口いっぱいにさわやかさが広がり、芳醇(ほうじゅん)な甘さがふくらみました。

丹部さんのイチゴは城南町内の熊本市城南地域物産館「火の君マルシェ」でも買えます

長いイチゴ棚が奥まで伸びる丹部さんのハウス

息子の一真(いっしん)さん(24)とともにイチゴ栽培に取り組む丹部さん