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(4)昔ながらの手作り豆腐店 移住者が育む新たな味も

「ガラガラドン」(写真右奥・5個360円)

(4)昔ながらの手作り豆腐店 移住者が育む新たな味も

2015年1月10日
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揚げたてのがんもは、ほんのり甘くなつかしい味。他にゆずとうふや、地大豆豆腐も人気です

再び馬見原商店街に戻ると、「只今できたて、ガンモ。味付き」と手書きされた黒板を見つけました。いかにもおいしそうな匂いが漂っています。

「末松豆腐店」は、佐藤富雄さん(37)一家が営むお店です。

「地元産の大豆を使った豆腐や生揚げなど、毎朝1時半に起きて作るお豆腐は、地元の方に愛してもらっています」と佐藤さん。

この日も、椎葉村(宮崎)へ帰る途中に夕食用の豆腐を買いに来た、という常連さんの姿が。

子どものころ、ボウル片手に豆腐店へお使いに出かけていたのを思い出し、こうした店が存在してくれていることのありがたさを思います。

末松豆腐店の4代目・佐藤富雄さんと妻の亜紀さん(36)、亜紀さんの母の千穂さん(59)。そして、ちょうど下校してきた息子の蒼明くん(8)

富雄さんの母・千穂さんが即席で作ってくれたのは、自慢の油揚げを使ったいなりずし。油揚げの食感がいきていて、ぺろりとおいしくいただきました

問い合わせ

末松豆腐店

 

ちょっとほろ苦く、目の覚めるような味わい

蘇陽のあちこちの店で見かけるコーヒー豆があります。「自家焙煎 星徳(せいとく)コーヒー」がそうです。

代表で焙煎士の長谷川義人さん(45)は3年ほど前、大阪から蘇陽へ移住し、小さな焙煎工房を開きました。

約15種の生豆を取り寄せ、ハンドピックで良質の豆だけを選りすぐって焙煎をしています。

「ここは田舎だけど、いろんなものがそろっています。自分の畑を持ち、米や野菜を栽培することもできる。大阪在住の頃より、生活自体は豊かだなと思いますね」

芳醇(ほうじゅん)な香りで満たされた工房で長谷川さんが入れてくれた、焼きたて&ひきたてのコーヒーはちょっとほろ苦く、目の覚めるような味わいでした。

11月に登場した「通潤ブレンド」100g650円。蘇陽や熊本市内のお店で販売されています(詳しくは同工房へお問い合わせください)

長谷川さんは芳醇な香りで満たされた工房で、オリジナルブレンドのコーヒーを作っています=「星徳コーヒー」

問い合わせ

焙煎工房 星徳コーヒー

  • 上益城郡山都町滝上533-8
  • TEL.090-3927-6663
  • ※「山都町清和文楽邑」や五ヶ瀬の道の駅、そのほか熊本市や山都町の店で販売しています。詳しくは同工房にお問い合わせください。
 

ガラガラドンの優しい味わい

パン屋の「ヤマGEN」の山元秀一さん(54)と妻の典子さん(51)は蘇陽の水と空気の美しさにひかれ、25年前、東京からこの地に移り住みました。

最近話題の“半農半X”というライフスタイルを、その頃から模索していた山元さんご夫妻。自家製酵母とこだわりの食材で少しずつ作っていたパンが人気となり、3年後には、パンの専門店を開きました。

ログハウス風の店内には、自家製酵母を使ったハード系のパンやスイーツなどが並びます。開店以来の一番人気は、ピンポン玉のような菓子パン「ガラガラドン」です。

「ここに越して来た当時、飼っていたヤギの乳とアヒルの卵を使って最初に作ったのがこのパン。『3びきのやぎのがらがらどん』という絵本に出てくるような大きなヤギだったことから、パンの商品名にガラガラドンってつけたんですよ」と楽しそうに話す秀一さん。

人が集える場を作ろうとこの夏、イートインスペースもオープン。ガラガラドンの優しい味わいは、山元さんご夫妻の人柄からにじみでている気がします。

この町をゆっくり巡れば、昔ながらの営みの知恵や、心通う商売の温もりを感じます。そこには、日本人の心に響く人情が今も息づいているのです。

町の温度に魅了されて移り住んだ人たちを、快く受け入れる、その懐の深さを感じさせてくれた一日でした。

自家製酵母でつくるパンは、県内外も多数。「ガラガラドン」(写真右奥・5個360円)は、まわりは堅いのに食べるとしっとりとしていて、不思議なおいしさです=「ヤマGEN」

「ヤマGEN」の山元秀一さんと典子さん

「ヤマGEN」の外観。併設するカフェでは、ピザや旬のパイ、オリジナルチーズバーガーや酵母パンのプレートセットなどが味わえます

問い合わせ

天然酵母パン ヤマGEN