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(3)絵馬ならぬ絵鯉に願掛けて レトロ感満載の背戸屋歩き

ムーディーな「イン・ドリーム カジカ」の店内

(3)絵馬ならぬ絵鯉に願掛けて レトロ感満載の背戸屋歩き

2014年11月15日
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そろそろ、蒸し卵がおいしく出来上がっているころです。せいろから取り出し「あちち! あちち!」とカラをむけば、白みがほんのりとうす茶色に染まっています。そこに食塩を振りかけて頬ばると、何と、卵の香ばしさを知るのでした。

温泉卵独特のイオウの匂いがしないのです。黄味も1時間以上も蒸したのに、しっとりとした舌触りにびっくり。さてここで、カメラマンのドヤ顔をご想像くださいませ(笑)。

蒸し場で1時間ほど蒸したゆで卵は、ほんのりとうす茶色に染まって。熱々は最高においしい!

「杖立温泉には「背戸屋(せどや)」と呼ばれる、人がすれ違えるほどの狭い路地があります。階段の脇に構える小さな間口の店々、湯治旅館や民家から立ち上る、営みの気配が放った情緒に包まれるのもいいものです。

もみじ橋の屋根や欄干にびっしりとかけられた絵馬ならぬ絵鯉(?)。よく見ると板が鯉の形をしています。あれんじも、絵鯉に願い事を書いてみました。

狭い路地が奥へとつながる「背戸屋」。昭和の香りがムンムンと漂います

背戸屋の階段を上っていくと、薬師堂があります


もみじ橋には、たくさんの願いを書いた絵鯉や絵馬が飾られています

「熊本のたくさんの町に元気を届けたい」とあれんじも願い事を絵鯉に込めました


温かい人柄を感じます

アップダウンの狭い路地を歩きます。東林琉璃堂(とうりんるりどう)を過ぎたあたりの坂道で、開店準備前の開いた扉の奥から「どっから来なさった?」と声をかけてくれる人が…。のぞくと、スナック「イン・ドリーム カジカ」を営む中山幸子さん(78)が満面の笑みを向けています。

「どうぞ、どうぞ」とカウンターに案内してもらい、グラスになみなみと注がれたマンゴージュースをいただけば、看板ママの幸子さんの温かい人柄を感じます。

狭い坂道にも情緒が漂います。東林琉璃堂が左手に見えます

「100歳まで店に出ます!」と、とにかく元気な「イン・ドリーム カジカ」の中山幸子ママ。開店時間には和服姿で登場

「あたしゃこの杖立の生まれですもん。杖立川でコヒナ(貝)ば採ったり、ジャガイモば川で洗って“地獄(蒸し場)”で蒸して食べたりしよったよ。二十歳で結婚して、お父さんと食堂ばしたと。昔は飲めや歌えのお客さんたちの声が温泉街に夜遅くまで響いて、まるで川端康成の世界のごたったよ!」

幸子ママの言う“川端康成の世界”とはおそらく、杖立温泉が「伊豆の踊り子」の伊豆温泉の舞台と似ていることを伝えたかったのだと推測されます…。

そんな昔話に耳を傾けながら飲み干したグラスを置けば、話を続けたままの幸子ママは、またジュースをつぎ足すのでした。

ムーディーな「イン・ドリーム カジカ」の店内は掃除が行き届いています。中でも「トイレはピカピカよっ!」と幸子ママが自慢します

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イン・ドリーム カジカ