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(2)湯上がりの肌をなでる川風 胸に染みる昭和の歌謡曲

昭和の歌謡曲のレコード

(2)湯上がりの肌をなでる川風 胸に染みる昭和の歌謡曲

2014年11月15日
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散策の前に、スーパー「Rショップかじか」で生卵と食塩を買いました。共同蒸し場で蒸し卵を作るのです。

蒸し場は、温泉の蒸気を利用して調理するところで、誰でも自由に使うことができます。せいろを湯気が噴き出す穴の上に乗せ、生卵を並べてフタをします。「ゆで卵は15分程度で完成」と看板にはありますが、以前、ここで蒸し卵作りを経験した同行のカメラマンいわく、1時間以上蒸した方がうま味が違うらしいのです。その言葉を信じ、お湯に親しんだ後に食べることにしました。

桜橋のたもとにある蒸し場で蒸し卵を作ります

せいろに生卵を置いて、1時間ほど蒸してみました。通常は15分でOK

問い合わせ

Rショップ かじか

 

肌触りが優しく、化粧水いらず

杖立温泉の伝統風呂が“蒸し湯”です。泉源が26カ所あり、泉質は弱食塩泉で飲料できます。保湿効果が高いメタ硅酸(けいさん)を多く含んでおり、肌触りが優しく、化粧水いらずといわれています。つま先から頭皮まで包み込む蒸し湯は、美肌効果や風邪予防が期待できそうです。

近年、素泊まりの「プチ湯治」と呼ばれる温泉エステを楽しむ女性客が増えており、各旅館では、趣向をこらしたオリジナルプリンや蒸し料理を提供しています。

古い蒸し湯の姿を残す「新ひたや旅館」を訪ねました。「いらっしゃいませーっ!」と帳場からかわいい声を上げて飛び出して来たのは、女将・高崎とし子さん(65)の孫・内田真飛(なおと)くん(5)でした。

その蒸し湯は浴室の横にしつらえてあり、小さな間口の奥から熱気が流れて来ます。「昭和の初期ごろから蒸し湯を始めました」と女将のとし子さん。身体にタオルを巻いて暗い蒸し湯に入ってみると、途端に汗が吹き出ます。我慢すること数分、腕や首、足首などの垢すりを行い、いったん蒸し湯を出てお湯をかぶります。これを数回繰り返すのです。

「からいもプリン(300円)も人気なんですよ」と「新ひたや旅館」の女将・高崎とし子さん

「いらっしゃいませーっ!」と愛らしい仕草で迎えてくれた高崎とし子さんの孫・真飛くん。めっちゃかわいいんです!

写真中央の扉の向こうが蒸し湯。昭和初期ごろの姿を今に残しています

すっかり温まった湯上がりの身体を、休憩室(無料・30分)に渡る川風が冷やします。と、懐かしいレコードが並んでいるのをを見つけました。昭和の歌謡曲がずらり。プレーヤーも昔のものです。その中から選んだ一枚は、中条きよしさんの「うそ」。年がバレるというものです(笑)。

流れる歌声から、“折れたタバコの吸い殻のシーン”を想像して、蒸し湯にさらした肌をなでてみると、驚くほど滑らかで、髪の毛もサラサラ。10歳以上は若返ったことを実感するのでした。これは、“うそ”ではありません。

昭和の歌謡曲のレコード。プレーヤーから流れるメロディーを聴けば、昔の思い出がよみがえります

問い合わせ

湯治旅館 新ひたや