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(1)開湯1800年の由緒ある温泉 浴衣がけで見たい伝承芝居

「純和風旅館 泉屋」

(1)開湯1800年の由緒ある温泉 浴衣がけで見たい伝承芝居

2014年11月15日
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抜けるような青空が広がる杖立温泉郷。温泉情緒が漂います

青空を映して杖立川は翡翠(ひすい)色に輝いていました

空は高く、スカイブルーの色を映した杖立川の川面は穏やかな日差しを受けてキラキラと輝いています。

屹立(きつりつ)した岩山から響き渡る山鳥の声。濃い杉木立が、湯けむりを白く際立たせて見せ、時を重ねてきた温泉情緒が漂っています。4月初旬から5月中旬にかけては、杖立川の上に無数の鯉のぼりが空の中に泳ぎ、その風景は圧巻です。

開湯から1800年を迎えるとされる杖立温泉。熊本県と大分県の県境にあり「九州の奥座敷」と呼ばれ、昭和初期から中期ごろは特ににぎわいました。杖立川の両岸に並ぶ温泉旅館。屋号に肥前や肥後、日田など名前がついていることから、九州各地から人々が集まってきたことがうかがえます。

かつては長期滞在する湯治客や、大宴会を開く団体客なども多く、昼夜を問わず活気にあふれていたそうで、そんな時代の温泉街の香りを今に残します。この風情を楽しみたいと、杖立を訪れる若い人も少なくありません。

足湯を楽しむバイカーたち。手前の女性の須藤美柚(みゆ)さん(24)はフリーライターで青森県からやって来ました。写真中は「阿蘇ライダーハウス」を営む坂東將さん(45)、奥は埼玉県から訪れた中嶋幸志さん(32)


せまい温泉街に、泉源が26カ所あります。白い湯けむりが風になびきます

桜橋の真ん中には、休憩できるようにと数カ所に椅子が置かれています


芝居を見て大きくなりました

毎年5月には「杖立温泉祭り」が開催され、地元の人たちによる伝承芝居の舞台が桜橋のたもとにかかります。

杖立の伝承芝居の出演者はもちろんこの土地の人たち。80年前に始まり、戦時中には一時的に途絶えましたが、現在の形になって50年ほどだそうです。

「これを楽しみに訪れるお客さまも多くて、各旅館の座布団を持ち寄り観劇されるんです。出演者の私たちも、子どものころから芝居を見て大きくなりました。親たちから受け継ぎ、その使命感のもと、舞台には気持ちが入ります」と「旅館白水荘」を営み、温泉街を盛り上げるリーダー的存在の渡邉誠次さん(44)が胸を張ります。

毎年5月に舞台がかかる、杖立名物の伝承芝居。本格的な芝居です=資料写真

杖立温泉街を盛り上げる渡邉誠次さん。杖立温泉旅館組合長でもあり多忙をきわめます

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温泉街の人情を見る

誠次さんの従姉妹で「純和風旅館泉屋」の渡邊香さん(39)は、夫の孝治さん(36)と実家の宿を切り盛りしています。

「小さいころからお客さんと一緒にお風呂に入ったり、遊んでもらったりと、お客さんや従業員の方々の愛情に包まれて大きくなりました」と、宿のスタッフに抱っこされる愛娘の長女の和空(わく)ちゃん(1)に目を細める香さんの顔に、温泉街の人情を見るのでした。

桜橋のたもとにある風情あるたたずまいの「純和風旅館 泉屋」

「純和風旅館 泉屋」の女将、渡邊香さんと夫の孝治さん。抱っこされているのが長女の和空ちゃん(1)。前左が三男の頼斗(らいと)くん(3)、右が次男の竣斗(しゅんと)くん(4)

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