
川のほとりに立つかつての緑川小学校。現在は、アウトドアの宿泊拠点「清流館」として利用されています
鋭く切り立つ山肌や、少しずつ色づきを見せるクリの木立を抜け、緑川源流の方へと車を走らせます。
「緑川滝下」と書かれたオレンジと緑色のバス停の近くで車を止めると、昭和の面影を残すよろず屋があり、川のほとりに懐かしい風景が広がっていました。
川沿いに立つ「清流館」は、かつての緑川小学校跡。現在は、山登りや川遊びが楽しめる宿泊施設として利用されています。
川辺に下り冷たい水に足をつけると、体温が数度下がります。うっそうと茂る木々の下を流れる深緑色の水が石に当たってしぶきを上げるさまに、清々しい涼を感じます。
見上げれば、雲はゆっくりと流れ、ひんやりとした川風に秋がすぐそばに来ていることを感じるのです。

木々に囲まれ、ひっそりと立つ「年祢神社」。大明神、明神、ウバ天神などが祭られ、栃原地区の人たちが管理しているそうです

昔懐かしい風景が広がる「緑川滝下」バス停近くの風景

源流にほど近い緑川の流れ。木々が色づき始めると、さらに美しさを増します
再び「清和文楽館」方面へ北上すると、昭和初期に作られた田んぼの中のつり橋「天神橋」や、「年祢(としね)神社」に守られるようにたたずむ「小峰へき地保育所」など、日本の原風景を思わせる景色が広がります。
小峰へき地保育所は、1890(明治23)年以降、小峰小学校だった場所に建てられました。トンボが舞う広い運動場には120年以上もの間、途絶えることなく子どもたちの笑い声が響き渡っています。

広々とした園庭を持つ「小峰へき地保育所」。子どもたちはお昼寝の時間

「元気な清和っ子が通っています」とほほえむ「小峰へき地保育所」園長の井手典子さん(57)

手が届きそうなほど近くに、大きな月の姿がありました
「秋の澄んだ空気は、天体ショーを感動的なものにしてくれますよ」と語るのは、「清和高原天文台」星空ナビゲーターの石原誉晃さん(40)。
望遠鏡越しに夜空を眺めると、手が届きそうなほど近くに、大きな月の姿がありました。漆黒の空に描き出されるのは、カシオペア、アンドロメダ、ペルセウスなど、ギリシャ神話に出てくる星座の数々。
10月8日の皆既月食、22日のオリオン座流星群は必見です。

井無田高原にある「清和高原天文台」。周辺に明かりが少ないこの地は、星がひときわ美しく輝きます

巨大な「ニュートン式反射望遠鏡」で、普段は見ることができない星座や天体を間近にみることができます。これからの季節は、冷え込むこともあるので、防寒対策を忘れずに

「星空ナビゲーター」の石原さんが、宇宙にまつわる楽しいエピソードを紹介してくれます

天体観測が終わったら、別荘のような雰囲気の「清和高原の宿」へ。夕食は隣接するレストラン「星座の森」で、焼き肉に舌鼓
問い合わせ
清和高原天文台
- 上益城郡山都町井無田1238-14
- TEL.0967-82-3300
- 営/ 14時~22時(最終受付21時半)
- 休/火(祝祭日は開館)、年末年始
- 料金/高校生以上500円、中・小300円
- http://seiwabunraku.hinokuni-net.jp/tenmon/
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。