
日本一の清流・川辺川。奥のお椀を伏せたような森が「雨宮の森」=相良村役場提供
川辺川をはるかに見おろす相良大橋(同村深水)。夏の日差しを浴びエメラルドグリーンに輝く、涼しげな流れ。川底の石までくっきりと見分けることができるほど澄み切っています。それもそのはず、国土交通省が先月発表した河川の水質調査で、川辺川は8年連続で水質日本一の座を獲得しました。まさに村が誇る宝ものです。
川辺川のほとりに暮らし、川とともに育った農家・宮原房市さん(64)を訪ねました。玄関前には川から引いた小さな水路が流れ、水音が耳にすがすがしく響きます。水路の先の小さな池にはコイが泳ぎ、中央に立つのは一本の芭蕉の木。その葉陰をのぞくと固い淡黄色のつぼみが見え、開花を待つその姿はまるで砂糖菓子のような愛らしさです。
奥の軒先では宮原さん愛用の川漁用の網が揺れ、横の棚には畑でとれたナスやキュウリが無造作に置かれています。

「上園観音」のご本尊は牛馬の守り神で、子どもの病気にもご利益があると伝わります

シカのケンちゃん。世話をする宮原さんを慕って柵に駆け寄ります

川辺川とともに暮らしてきた宮原房市さんは、遠来の釣り人にとって、父のように頼れる存在
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