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(1)真夏の島に漂う菊の香り 電照栽培の収穫真っ盛り

お団子のようにキュッと丸くなったつぼみ

(1)真夏の島に漂う菊の香り 電照栽培の収穫真っ盛り

2014年8月2日
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左から、木下一さんと妻の尚美さん、一さんの母の直子さんと父 好生さん

夏の朝の海は凪いで、静かです。大矢野町(上天草市)の国道266号(天草パールライン)沿いを進むにつれ、黄や赤、オレンジの花が咲き誇り、周りの景色がひときわ華やかになっていきます。四季を通して温暖な気候の大矢野町は、花の露地栽培が盛んで、かつては「花の島」と呼ばれていたこともあるそうです。

近年、注目されているのが、電照菊のハウス栽培です。菊は、古くから日本人に愛されてきた花です。

お盆を前に夏菊の収穫が最盛期を迎えている、木下一(はじめ)さん(35)を訪ねました。両親の好生さん(58)と直子さん(58)、そして妻の尚美さん(33)とともに、年間を通じて電照菊を栽培する木下さん。

収穫を終えたばかりの木下さんのハウスは、清々しい香りで満たされています。菊の香りはどこか懐かしく、幼いころの思い出をひもとかせてくれる気がします。

嫁ぐ前に、熊本市内でフラワーコーディネーターをしていた尚美さんは、「最近は、ウエディングブーケやヘッドドレスの花材としても人気なんですよ」と話します。

菊の名前には、気を与える、つまり、「気を配る」という意味があるとか。

「育てるための手間ひまと、贈る人・飾る人の気配りから、『菊ばり農園』というブランドを立ち上げました」と、一さん。良質な菊を安定供給するため、町内のもう一軒の菊農家とともに立ち上げたこのブランドで、菊の花の魅力を広く伝えています。

お団子のようにキュッと丸くなったつぼみ

美しく保たれたハウス。「菊ばり農園」の質やこだわりを物語るようです


上から10センチほどまでの間に程よく葉が茂り、花の周りの葉っぱが小ぶりなものが、いい菊の条件だそう

収穫した菊はその日の朝のうちに2L、L、Mと規格ごとに振り分けられ、市場へと出荷されます

ヒマワリやニチニチソウなどの花が咲く国道266号沿い。2年後に天草五橋開通50周年を迎えるのにあわせ、ウエルカムフラワーロードとして整備されています

お問い合わせ

菊ばり農園 木下さん

 

3代続く“まちの自転車屋さん”

この町で、創業100年を迎える自転車店があります。植田浩蔵さん(52)と父の節義さん(80)親子で営む「植田自転車本店」は、3代続く“まちの自転車屋さん”です。

「楽しく乗るためには思いやりが必要」と言う浩蔵さんは、自転車通学をする中学生のために、メンテナンスや交通指導を続けています。父の節義さんは、昭和26年からオート三輪を乗りこなし、今でも、70年代の変速機付き自転車にさっそうと乗り、出張修理に出かけているそうです。

ちょうど、「自転車がパンクして…」とお客さんが来店。節義さんは、すばやく修理に取り掛かります。「ちょっとでん早く修理してあげんと」と慣れた手つきで、あっという間に修理が終了。地域にとってなくてはならない、頼りになる自転車店です。

植田節義さんと浩蔵さん親子

取材中に訪れたお客さんの自転車を、あざやかな手さばきでパンク修理する節義さん

年季の入った工具箱が、暮らしの足を支えています


0年代の変速機付き自転車が節義さんの愛車です

店内には、6年前に熊日に掲載された記事が大切に保管されていました(写真は、節義さんがオート三輪にまたがり、初代でもある父・磯造さんらとともに撮影された昭和29年頃のもの)

お問い合わせ

植田自転車本店