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(1)緑豊かなあか牛の草原 農家民泊で都会と交流

農家民宿かなえ

(1)緑豊かなあか牛の草原 農家民泊で都会と交流

2014年7月19日
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県道28号の俵山トンネルを抜けると、たちまち牧歌的な世界が広がる南阿蘇村の久木野地区。五岳と外輪山に挟まれた谷間にはさわやかな風が吹いています。

南外輪山の山道を走っていると、草原に向かって「おいでー、おいでー」と大声で誰かを呼ぶ人がいました。声の主は、3代続くあか牛の繁殖農家の今村建一さん(58)。放牧中の牛たちに飼料を与えるため、一日一回、草原を訪れています。

今村さんの声を聞きつけて、山の奥の方から5頭のあか牛がやって来ました。エサが待ち遠しいのか、今村さんに会いたかったのか、なんとなくうれしそうな顔をしています。放牧されているのは「もと牛」と呼ばれる、子牛を生む親牛たちです。

「昔は、久木野のあか牛農家は100軒ぐらいあったけどね、今は28軒。野焼きをするのも大変。地域の人に手伝ってもらってます」と、愛おしそうに牛をなでながら話す今村さん。

エサをやり終え、「じゃあね」と牛たちにそう言って、今村さんが草原を立ち去ろうとすると、驚いたことに牛たちがすごい勢いで走り出しました。今村さんを後追いしているのです。その姿に、胸が打たれるのでした。

放牧期間は5~12月。母牛は出産時には牛舎に戻ります

「おいでー」の声に草原の奥から出てきたあか牛たち。この草原にいるあか牛たちは、出産間近なのだとか

今村建一さんの自宅にある牛舎には、生まれたばかりの子牛がいました

「牛たちに後追いされると、後ろ髪ひかれますね」と話す今村建一さん


“宙に浮かぶ石”と呼ばれる「免の石(めんのいし)」

今村さんがあか牛を放牧している「柿野山田牧野」には、“宙に浮かぶ石”と呼ばれる「免の石(めんのいし)」があります。少々ハードですが、今、人気を集めているトレッキングコースで、パワースポットとして評判です。

案内人を務めるのが甲斐民也さん(58)。

「宙に浮かぶ石に太陽の光が差して、後光が射しているような光景に出合うことも。その神々しい風景に、感動する人も多いですね」と語る甲斐さん。“岩と岩とをつなぐ”その姿にあやかってプロポーズするカップルや、“石が落ちない”にちなんで受験生が願かけに来るそうです。

甲斐さんのもう一つの顔が、農家民宿「かなえ」のオーナー。自宅を開放して修学旅行生を受け入れ、野菜の植え付けや収穫の体験や、かまど炊きのご飯を振る舞ったりしています。

「修学旅行の後にも、個人的に遊びに来てくれたり、手紙をくれたり。子ども達との交流が続いています」とアルバムを見せてくれました。

隅々まで掃除が行き届いた「農家民宿かなえ」の母屋。初めてなのにどこか懐かしい雰囲気いっぱいです

初心者でも挑戦できる「免の石トレッキング」。申し込みは「みなみあそ村観光協会」へ。参加費/往復コース中学生以上2000円、周回コース中学生以上3000円

「山ガールから80代の方まで、免の石は幅広い層がチャレンジしています」と甲斐民也さん

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免の石トレッキング

 

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