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(2)ふくよかな甘さの銅銭糖 神域の緑と木漏れ日静かに

(2)ふくよかな甘さの銅銭糖 神域の緑と木漏れ日静かに

2014年6月21日
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「綿屋製菓」オリジナルのようかん。「黒糖ようかん」(540円)と「熊本のメロン羊羹」(700円)は、ともに「全国菓子大博覧会」で金賞を受賞。「阿蘇のトマト羊羹」は700円

灌漑事業により豊かになった大津の大地。豊富に収穫・製粉される米粉から生まれたのが、名物「銅銭糖(どうせんとう)」。かつて多くあった店も今は数軒になりましたが、その一つが塘町筋にある「綿屋製菓」です。

社長の武藤泰さん(49)は、「天気はもちろん、その日の湿度や寒暖差などに応じて配合を調整する銅銭糖は、作り手に繊細さが求められます」と話します。

「銅銭糖の木型は、作れる職人さんが減って貴重品になりました」。手作業ならではの温かい味が、末永く伝えられることを願わずにはいられません。

また、「はっきりは分かりませんが、屋号からして昔は旅籠(はたご)だったかも」と話す武藤さん。そう聞くと、2階の窓から旅人が街道を見下ろす時代劇のような一コマが目に浮かびます。塘町筋にかすかに漂う宿場の風情のせいでしょうか。

棚にずらりと並ぶできたての「銅銭糖」=「綿屋製菓」

「綿屋製菓」社長の武藤泰さん


1日約3000個の「銅銭糖」を生産するという綿屋製菓。ベテラン職人が材料を詰めた木型を台に打ちつけるリズミカルな音が響きます


 

神のお使い「神猿(まさる)」で知られる日吉神社

街道筋の小高い場所に建つのは、「大津日吉神社」。神のお使い「神猿(まさる)」で知られる日吉神社は、親子の情愛深い猿にあやかって子宝を願う人々の信心を集めてきました。

境内の一隅にある、子を抱いた猿の石像について宮司の坂本道(おさむ)さん(65)に尋ねると、「お参りの後に子供を授かったご夫婦が、『ご利益のおすそわけを』という気持ちを込めて寄進されたものです」と話してくれました。像は立派な屋根に守られています。「これは、なじみの大工さんが、『雨に打たれてはかわいそう』と作ってくれたものなんですよ」というあたたかい逸話が心にしみます。

同神社には、サッカーの町大津ならではの「サッカー絵馬」や「サッカーお守り」もそろっています。

江戸時代初期に創建された「大津日吉神社」。信心深い近所の男性がいつも掃き清めてくれるという清浄な境内では、猫たちがのんびりとまどろみます

屋根に守られた寄進の石像=「大津日吉神社」


「大津日吉神社」宮司の坂本道さん

サッカーの町大津ならではの絵馬やお守り=「大津日吉神社」

愛らしい「神猿(まさる)守」(後列中央)や五色の猿(五猿=ごえん=ご縁)のお守り=「大津日吉神社」

 

元日本代表の巻誠一郎選手(ロアッソ熊本)ら41人のJリーガーを輩出

さて、忘れてならないのが、大津高校サッカー部(平岡和徳監督、48)。今年の県高校総体では4連覇を達成、九州大会は準優勝、17回目の全国大会に出場します。全国高校選手権は15回出場を誇る強豪。元日本代表の巻誠一郎選手(ロアッソ熊本)ら41人のJリーガーを輩出しています。

部員は138人。なんと同高男子生徒552人の4人に1人が部員という大所帯です。平岡監督の指導の重点は、部員の自主性や自己管理。「夢を実現するには何をすべきか自分で考える。サッカーに限らず社会に出れば求められること」と言います。

夢に向かう選手たちの活躍が、大津の元気を盛り上げます。

全国制覇を目指し練習に励む大津高校サッカー部の選手たち

「サッカーを通して自分を変えてほしい。人間として成長してほしい」と平岡和徳監督