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(1)からりと晴れて あちこちから人 門前に露店 花・植木や陶器並ぶ

(1)からりと晴れて あちこちから人 門前に露店 花・植木や陶器並ぶ

2014年5月17日
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いくつものちいさな漁港が島を取り囲むようにつくられています

天草上島の南東に浮かぶ、龍ヶ岳町樋島(ひのしま)を訪ねました。

「樋島大橋」が昭和47年に開通、本島とつながりました。この吊り橋、車一台だけが通れる道幅です。信号待ちして相互に通行するわけですが、この待ち時間が、これから始まる旅の期待感を盛り上げてくれるのです。

生まれも育ちも樋島の元助役(旧龍ヶ岳町)の戸山銀造さん(87)は「離島だったころは、熊本へ行くのもひと苦労。ここから阿蘇に行くなんて、想像しただけでもおそろしかった」と話します。

一方で、島外への憧れも強かったらしく、小学5年の頃、熊本から赴任して来た若い教諭の小笠原先生に「熊本に連れて行ってくだっせんか」と頼んだそうです。

小笠原先生に率いられ、熊本へ向かった60数名の児童らは、客船から汽車に乗り換えるため立ち寄った三角で馬車に遭遇し、大興奮。それもそのはず、当時の樋島には農耕牛しかおらず、子どもたちが見た初めての馬だったのです。

「小笠原先生は、いろんな価値観を教えてくれた」と戸山さんは幼いころのことを昨日のことのように思い出すそうです。

やわらかな日ざしが差し込むこの席で、投稿や自伝用の原稿をしたためるのが戸山さんの日課

本紙「読者のひろば」などにたびたび投稿記事を寄せてくれる、戸山銀造さん

戸山さんの小学時代の恩師、小笠原先生(写真右)

戸山さんは昭和20年3月の樋島大空襲の記憶を絵にとどめていました

樋島を象徴する景観のひとつが、赤いタイル張りの樋ノ島灯台

島唯一の寺「観乗寺」で年に一度行われる、永代供養の期間だったこの日。お寺の門前は植木や陶磁器、寿司などの露店が並び、参拝客でにぎわっていました。

「この期間は、御所浦や姫戸など島外からもたくさんの人が訪れます。まるでお祭りみたいで、私も子どもの頃から樋島へ遊びに来るのを楽しみにしていました」と、上天草市職員の山川康興さん(43)。

樋島を象徴する景観のひとつが、赤いタイル張りの樋ノ島灯台です。ここから海を眺めていると、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。この辺りは釣り場としても人気らしく、波止場では熊本市から訪れたという釣り人が、大きなクロ(メジナ)を釣り上げていました。

観乗寺の門前に、永代供養の時期だけ並ぶ出店。この時期ならではの風景です

高台へ向かう四差路の頭上に備えられた4面のミラーを発見。どこを見ればいいのか戸惑いそう

上天草市経済振興部観光おもてなし課の山川康興さん