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(1)古刹にたたずむ風雅な句碑に、芭蕉が詠んだ春を思う

(1)古刹にたたずむ風雅な句碑に、芭蕉が詠んだ春を思う

2014年5月3日
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創立から500年あまり経つと伝わる「満徳寺」

「満徳寺」境内に複製された芭蕉句碑。内牧には、この他にも「山王閣」と「明行寺」の夏目漱石ゆかりの碑など文学碑が点在しています

芭蕉の句碑は建立者・時期ともに不明ですが、江戸時代末期の建立といわれています。オリジナルの句碑は少人数での来訪に限り見学可能

黒々と重なる甍(いらか)をいただき、天空に向って大きく反り返った屋根が見事な阿蘇市内牧の「満徳寺」。暖かな日差しに招かれて境内に足を踏み入れると、まさに春の気分をうたった芭蕉の句碑が目に溜まりました。

「春もやゝ けしきととのふ 月と梅」

その句のほのぼのとした味わいに、先刻通った山路をゆるやかに覆っていた白い春がすみの淡さが重なります。

「実は、境内の句碑は自由に見ていただくための複製なんです。オリジナルは庫裏(くり)の中庭にありますよ。どうぞ中へ」と21代住職の岡崎了明さん(53)。

寺の奥座敷の前には風雅な日本庭園が広がり、中央には樹齢400年の見上げるような槙(まき)の大木がたたずんでいます。頂上部を丸く整えたその樹影は、まるで庭を覆う大きな和傘のよう。

その陰に守られるように建つ句碑の表を目でたどれば、かすれかけた刻字に長い歳月がしのばれます。

見事な庭の造作に歴史を感じます=「満徳寺」

見事な庭に眺め入っていると、「以前は一面の苔の緑がきれいだったんですが、平成24年の九州北部豪雨災害で流れてしまって」と残念そうです。

当時、黒川河畔に近い同寺は床上30センチまで浸水し、句碑の立つ庭も泥水に埋もれました。搬出する泥の量はダンプカーで約600台分にもなったそう。

「ボランティアの方々に加えて、同門の寺の若手が天草や人吉、遠くは大分からも駆けつけてくれました」と岡崎さんは感謝の気持ちで当時を振り返ります。

座敷には復旧の様子を記録した写真も掲示され、災害に負けず立ち向かう人々の底力が感じられました。

「阿蘇ホテル二番館」の中庭には、自由に利用できる足湯と飲用泉飲み場があります。他に、飲用泉飲み場は「大観荘」の前にも

満徳寺住職の岡崎了明さん