築400年を超える山門は昭和初期までかやぶきだったそう。下から見上げると圧巻です

大津山の山腹にある「大津山阿蘇神社」は創建約820年の神社で、花の名所として知られ、県外からも多くの人が訪れます。落ち葉ひとつないほど掃き清められた境内に立つと、背筋が伸びます。

「町の誇りとしてあがめられ、遷座の度に神社が大きくなっていったそうです。現在の敷地は3600坪もあります。おかげで朝の掃除は大忙し。落ち葉の多いこれからの季節は、掃除だけで毎日4時間くらいかかります。だからなおさら参拝客の喜ぶ姿を見るとうれしいんです」と話すのは、祢宜(ねぎ)の松尾克彦さん(50)です。

祢宜の松尾克彦さんは20代目にあたります

境内の真ん中にある土俵では毎年10月(今年は10月21日)に「奉納相撲」が行われます。「奉納相撲は、古くから続いている祭事で、筑後国対肥後国の力士対戦を模しています。子ども相撲もあってにぎわいますよ」と松尾さん。12月24日からお正月にかけて、境内を約200基の明かりが彩る「大津山阿蘇神社奉納提灯」も見ものです。

池や石橋などが配された大津山阿蘇神社の庭園。春には2千本のツツジや数百本の桜が咲き誇ります

境内にある「藟石(つづらいし)」。大津山城の基礎石だったものを戦後、現在の地へ移しました。別名「難関突破石」とも呼ばれ、受験生の祈願スポットとしても人気

大津山阿蘇神社

玉名郡南関町関東958

TEL.0968-53-0625


国史跡の「豊前街道南関御茶屋跡」

国史跡の「豊前街道南関御茶屋跡」は、熊本藩主らが参勤交代などの際に休憩・宿泊したところです。現在の建物は1852(嘉永5)年頃に建て替えられたもので、薩摩から江戸へ上る篤姫もここに立ち寄り、休息したといわれています。

2005(平成17)年に保存修理が完成し、往時の姿を取り戻しました。屋根や釘隠しなど随所に、細川家の九曜紋があしらわれています

「ここは“まちの奥座敷”。私たちのもてなしを楽しんでください」と、南関宿場町伝楽人の宮尾洋一さん(87)が床の間のある部屋に案内し、お茶でもてなしてくれました。

左から教育委員会の遠山宏さん(38)、南関宿場町伝楽人の北原秀樹さん(67)、宮尾洋一さん、安永義隆さん(58)。「南関町ふるさと関所祭り(今年は11月18日)の頃は、紅葉がきれいかです」

畳に座って正面を向くと、大津山が真正面に見えます。部屋のはりと柱が額縁になり、そこに切り取られる景色は一見の価値があります。

「豊前街道南関御茶屋跡」で見た風景。別名「南関富士」とも呼ばれる大津山が、絵画のようにおさまっています

南関宿場町伝楽人の方々がたててくれたお茶。茶代は入場料に含まれています

大津山は“南関富士”とも呼ばれており、かつての殿様たちもこの風景を気に入って、ゆっくりとめでたことでしょう。いただいたお茶とともに、しばしの間、優雅なひとときを味わいました。

豊前街道南関御茶屋跡

玉名郡南関町関町1141-2

TEL.0968-53-0859

営/9時半〜16時半

休/火曜(祝日の場合は翌日休)、12月28日~1月5日、8月13日~16日

料/200円(小・中学生100円、抹茶セット付き)

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