「平国丸」の船上で、笑顔でポーズをとってくれた濱田さん夫婦

津奈木町を貫く国道3号を走ると山あいの風景が印象的ですが、町北部の海沿いにある平国地区に向かうと不知火海の絶景が目に飛び込んできます。この平国地区も昨年の豪雨で土砂崩れが起き、人的被害が出ました。それでも地区で暮らす皆さんは日々の営みを続けています。

この海に夫婦船を繰り出して漁を続けるのが、濱田輝久さん(49)と亜美さん(43)夫婦です。底抜けに明るく、近所でも夫婦仲が評判の二人は、毎日早朝から海に出ます。漁を終えてすぐ、船泊まりにほど近い自前の加工所へ魚を運び込むと、寿司職人だった森山倉夫さん(66)がさばきます。ここで干物や漬けなどを作っています。

「下処理と仕込みをしたものを真空パックにしてマイナス30度の瞬間凍結機で冷凍します。そうすることで取れたて、作りたての味を提供できます」と輝久さん。

お薦めは「タチウオ三昧セット」。切り身の漬けやぶつ切りの他、レンジで温めるだけの串焼きはホクホクとして、ほどよい塩味のおいしさです。これらの加工品は船名から付けた「漁師ばい 平国丸」のオリジナルブランドでネット販売されています。予約すれば現地でも購入できるそうです。

あざやかな包丁さばきで魚をさばく森山倉夫さん

漬けと串焼き、ぶつ切りの「タチウオ三昧セット」は3300円(税込み)

平国地区に向かう途中の高台から見た不知火海

漁師ばい 平国丸

芦北郡津奈木町福浜3485-8

TEL.0966-83-8747

営/9時~19時

休/なし

※漁に出ている時は、電話を取れないこともあります

http://hirakunimaru.shop/


母を思っての第二の人生

甘くてみずみずしい、丸田さんが栽培した「しらぬい」

丸田さん方の納屋には昨年収穫したしらぬいが貯蔵されていました。4月ごろに出荷されます

津奈木町の南東に位置する倉谷地区は、のどかな里山の風景が広がります。ここでミカンやイチジクなどの露地栽培に汗を流しているのが、「まる農園」の丸田良友さん(63)です。

丸田さんは海上自衛隊を定年退職後、古里に戻り実家の果樹園を継ぎました。「最後の任務地だった長崎での再就職も考えましたが、今年85歳になる母が気に掛かり、妻も一緒に暮らしたいと賛成してくれたので古里に帰ってきました」と丸田さん。

穏やかで優しい人柄が伝わる丸田良友さん

果物の自然栽培に取り組んで7年目という丸田さんは、現在、国道沿いの「つなぎ百貨堂」で働きながら、月の10日ほどを果樹園の仕事にあてています。自宅の納屋には、昨年12月に収穫した「しらぬい」が貯蔵されていました。「常温で4カ月ほど寝かせると、酸味が和らぎ一段と甘さを感じます」とのこと。丸田さんが手塩にかけたしらぬいは同園ではもちろん、「つなぎ百貨堂」でも買い求めることができます。

「18歳でこの町を出ましたが、変わらない景色や人の温かさに包まれながら暮らしています」と言う丸田さんは、第二の人生を心から楽しんでいるようです。

丸田さんの自宅の横にある「薬師堂」。代々、丸田家を中心に近所のみなさんで守られています

まる農園

芦北郡津奈木町津奈木430

TEL.090-8914-6880

FAX.0966-78-2144

※果物の発注は電話orFAX

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