中唐人町に店を構える「塩胡椒」。入り口は1階に見えて、実は2階です

唐人町通りに面したフランスレストラン「塩胡椒」。明治期に建てられた3階建ての木造の建物は、やはり表からは2階建てに見えますが、1階は坪井川の荷揚げ場へとつながっています。

「この建物に出合えたのは奇跡でした」と話すオーナーシェフの白石一成さん(65)は、40年前に駕町通りに最初の店をオープンし、その後、下通のビル2階に移転。そして16年前に、この古町で新たな出発をしました。

おだやかな人柄が伝わってくる、オーナーシェフの白石さん

1階には石垣の跡が残っています。フランスの建物をほうふつさせます

白石さんは、18歳の時から熊本ホテルキャッスルでフランス料理の修業を積み、24歳で渡仏し本場の料理を学びました。白石さんが滞在したボジョレー地方は、白壁や石造りの建物が多く、古い家屋を大切にして暮らす人たちの豊かな生活に感動したそうです。「あんな風に、暮らしを慈しむように商売ができたらと願っていたら、この建物に出合えました」と白石さん。

そんな白石さんが心を込めて作る料理は、丁寧な下ごしらえと細やかな味の仕立て方が変わらず評判で、ランチ時はこの店の味を愛するファンでいっぱいです。「長く商売をやっていると、うれしいこともたくさんあります。90歳になられるご婦人が『ここの味が懐かしい』とお孫さんと来店されました」と言って、白石さんは目を細めました。

ランチは1430円から。写真は2530円のコースの子羊の網焼き。ディナーは3300円から(いずれも税込み)

1階の庭から眺めた、3階建ての木造建築

店内は静かな時間が流れます

塩胡椒

熊本市中央区中唐人町13

TEL.096-322-8487

営/11時半~14時半(OS13時半)
18時~22時(OS21時)
※前日までの要予約
日・祝日のディナーは21時半(OS20時半)

休/月曜


旅のおみやげ 古町 地元の神事を受け継ぐ かつお節専門店の4代目

かつお削り、厚がつおは621円(100g、税込み)、粉がつおやだしパックも販売

細工町通りで、左右の民家をまたぐように掛けられた、「白梅天満宮」という看板を見つけました。民家の間にある、人ひとりが通れるくらいの道が参道です。奥に進むと真新しい鳥居と本殿が鎮座しています。

「4年前の熊本地震で楼門などが倒壊しましたが、鳥居は地元の方の寄付により今年の8月に再建できました。毎年11月14日・15日に行われる例祭には、『白梅青年会』で、煮大根に唐辛子をたっぷり入れた『風神大根』を作って訪れる皆さんに振る舞います」と話すのは、青年会会長の嶋村誠次朗さん(44)。風神大根は昔、疫病が流行した時に辛いものを食べて体を温めたことに由来するそうです。

嶋村さんは1953(昭和28)年創業のかつお節専門店「松魚(しょうぎょ)村平」の4代目。お店では、枕崎産(鹿児島)のかつお節をその場で削って提供してくれます。

人ひとりが通れるほどの参道(左)の奥に、鳥居や本殿が鎮座する「白梅天満宮」(右)

「古町を愛してやまない」という嶋村さん

松魚村平

熊本市中央区細工町3-39

TEL.096-322-4380

営/8時~18時半

休/日曜、祝日、水曜は不定休

旅の終わりに

古町には多くの寺院が点在しています。加藤清正時代に敷かれた一町一寺制の名残で、守りが手薄になる城下の防御性を高める狙いもあったそうです。一区画ごとに寺院があり、周りを町屋が囲む構図は全国的にも珍しいそうです。古町にはたくさんの歴史の跡がありました。ブラタモリ気分で歩けば、いろんな発見があるはずです。


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