豊かに実った「松田青果」のバナナ。真ん中で折ると真っ二つに。鮮度の良さが分かります

同じ細工町通りに、1926(昭和元)年創業のバナナ専門店「松田青果」があります。「初代が台湾のバナナを輸入して商売を始めました」と三代目の松田邦彦さん(62)。いただいた名刺は、バナナと同じ鮮やかな黄色です。

「台湾が日本の統治下にあったのは1895(明治28)年から1945(昭和20)年の50年間。初代が商売を始めた当時は、今のように商社も多くなく、リスクを背負った商売だったと聞いています」と松田さん。

話を聞いているうちに、松田さんの人情味あふれる人柄を感じます

小売りされているバナナ。どれもおいしさはお墨付き

バナナの成長過程を説明してくれる松田さん

バナナの卸販売が本業ですが、鳥丸八十七商店と同じく、近所の方のために小売りも行っています。「夫婦で食べるからと、毎日2本だけ買われる常連さんや、1週間分を購入される方などいろいろ。どなたにも食べ頃を見計らって選びます。いつものなじみのお顔を見ると安心します」と話すのは、店頭に立つ妻の幸江さん(62)です。

事務所には、バナナの成長過程を記録した4枚の写真が飾ってあります。観光客や地元の子どもたちが野外学習で訪れる時に説明するそうです。「自分は、肥後もっこすで口べたばってん」と謙遜する松田さんですが、子どもたちにバナナの話をする時の顔は優しさにあふれていると、近所の方が教えてくれました。

創業当時の松田青果

松田青果

熊本市中央区細工町3-38

TEL.096-354-5255

営/9時~18時半
(バナナが売り切れ次第閉店)

休/祝日は午前中のみ営業

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