アンティークの家具や小物が施された「ヘグレンさん」のすてきな空間

古民家カフェ「ヘグレンさん」は、郡浦集落の高台にあります。板張りのアプローチとペンキ塗りの白い扉、その奥にアンティークの装飾品と家具でしつらえられたおしゃれな空間が広がっています。

「3年前の5月の晴れた日、ご縁あって空き家だったこの家を見せてもらい、ここからの眺めに一目ぼれしたんです」と話すのは田島朋代さん(62)です。 

「ヘグレンさんしよるです」の看板を手に持つ田島さん。自然体で明るい性格の田島さんとはすぐに友だちになれそうです

それまで専業主婦だった田島さんは家を購入した後、時間をかけてリノベーションを施し、2年前の4月にお店を開きました。現在、家族と熊本市東区で暮らしながら、自宅と店を行き来しているそうです。

「それまでこの土地になじみはありませんでしたが、郡浦のみなさんは温かく迎えてくださいました。来たばかりのころ道端に立っていたら、片岡なな子さんにじゃがいもをもらったこともあります。婦人会にも入りました」と田島さん。

店名の「ヘグレン」とは、何と「珍妙な」を意味する熊本弁。「私自体が珍妙な動物のようなものだから」と田島さんは笑い、「ここは、夜には満天の星が広がり、対岸の八代の明かりがきらめいて、5月には湯殿川にホタルが出るんです」と、宝物を披露するかのように楽しそうに目を輝かせて話します。

そんな田島さんが営むカフェの味は、「母方のおばあちゃんが作るごはん」がテーマ。今回は夏野菜たっぷりの「瓦そば」(1000円)が登場しました。お店は完全予約制でコース料理(2500円から)もオーダーできます。

夏野菜をたっぷりと使った「瓦そば」。デザート付き

「ゆっくりと、ここで海を眺めながら過ごしてください。なんなら、一日中いらしてもいいですよ」と言って、田島さんは人懐っこい笑顔をほころばせました。

また、店内に飾ってある田島さんのアンティークのコレクションは応相談で購入することもでき、他に竹細工なども販売されています。

見事な彫刻がほどこされた欄間(右)のインテリアや、すてきなこけ玉のあしらい(左)は田島さんのセンス

板張りのアプローチの脇には、草花が大切に育てられています=古民家カフェ「ヘグレンさん」

「ヘグレンさん」の店内から八代海を眺めて

ヘグレンさん

宇城市三角町郡浦338-3

TEL.090-8393-8579(田島)

営/12時~20時

休/不定


旅のおみやげ 三角町 「handmade&雑貨 HARU」で見つけた 手作りマスク&布小物

坂本さんが手作りしている布マスク。他に小物入れなどもあります

郡浦地区の国道266号沿いにある「handmade&雑貨 HARU」では、坂本光子さん(39)が手作りする布小物が販売されています。ここで生まれ育った坂本さんは、「私のマイペースな商売を心配して、近所のおじちゃんやおばちゃんが顔を見に来てくれます」と笑います。現在のお薦めは手作りマスク(650円)や布小物。独特の柄の組み合わせがキュートで、個性的なマスクはおしゃれのポイントになります。また、心を元気づける書き文字アートも評判です。

「ちっちゃなお店ですが、お時間があればお立ち寄りください」とほほえむ坂本さん

handmade&雑貨HARU

宇城市三角町郡浦975

営/10時~19時(夏期)

休/不定

インスタグラム/@fudemoji_sakamoto_syo

旅の終わりに

宇土半島突端の海辺に、突如現れた近代港湾都市。明治20年の開港から活気にあふれた三角西港でしたが、そのにぎわいはわずか10年ほどのことだったそうです。以前、三角町で生まれ育った女性(故人)が、明治生まれの母親から聞いたという三角西港の話を取材したことがあります。その話の中で、「母は『蜃気楼(しんきろう)のごたる街じゃった』と言いました」とおっしゃった言葉が、今も耳から離れません。


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