
名物の「天草ちくわ」は1本110円。「旭巻」「天草揚げ」など110円~
大矢野町で1921(大正10)年に創業した練り物店があります。地魚をはじめ、えりすぐった魚を使い、竹輪やかまぼこなどの練り物を作る「山下竹輪屋」です。
生育のいいアロエが目印の「山下竹輪屋」。商品は工場でも購入できます
この店では、竹輪や板付かまぼこ、いわしかまぼこ、ゆで卵をすり身で包んだばくだんなど、種類豊富な練り物を製造しています。中でも、すり身にパン粉をまぶして揚げる「魚(ギョ)ロッケ」が名物です。
「板付きかまぼこ」や人気の「ばくだん」など180円~
「道の駅上天草さんぱーる」にある「山下竹輪屋」のコーナー。一番人気は「魚ロッケ」です
工場の朝は早く、「毎朝5時から製造を始め、天草地区の道の駅やスーパーなどに出荷します。早起きにも慣れました」と話すのは、4代目の山下翔さん(25)です。
うかがった時には作業が一段落していましたが、「これから特注の細工かまぼこを作ります」と父親で三代目店主の幸次郎さん(58)が元気な笑顔を見せます。
今では珍しい細工かまぼこですが、かつては祝い事や法事のお膳に登場していました。鶴亀の縁起物の絵柄や、寿や祝などの文字入りなどが思い出されます。
この日、幸次郎さんが作っていた細工かまぼこは法事用で、白いすり身の土台に緑とピンクに色付けしたすり身で、ハスの花が描かれていました。

幸次郎さんが熟練の技で描き上げていく細工かまぼこ
白いすり身の台の上に、緑や桃色のすり身を絞り袋に入れて描いていきます。すいすいと流れるように、あっという間にハスの花が出来上がりました。その後、2時間かけてじっくり蒸し上げて完成です。
「今では細工かまぼこの注文は少なくなりましたが、昔ながらの職人技を生かしたかまぼこを知ってほしいと思います」と幸次郎さん。山下家には昨年、新しい命も誕生しました。愛くるしい琴乃ちゃん(6カ月)は、家族の元気の源です。「むちゃくちゃかわいかです。孫んためにまだまだがんばらなくてはと思います」と、幸次郎さんはメロメロです。
右から職員の岩本由美子さん(52)、山下幸次郎さん、妻の五月さん(58)、琴乃ちゃん(6カ月)、翔さん、翔さんの妻の真未さん(25)
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。