豊前街道沿いには江戸期の建物が残っています
「すみや荒物店」の窓からは八千代座が見えます
10年という月日は、山鹿の街に新しい風もたくさん吹き込んでいました。3年前に八千代座の隣にある野田酒店2階にオープンしたのが「すみや荒物店」です。小代焼や小鹿田焼、波佐見焼などの器、肥後まりなど県内外の民芸品や雑貨が並んでいます。
実はこの店は、「山鹿ジーンズ」というブランドジーンズを開発し、販売しています。「一般に生デニムのかっちかちの糊(のり)を落とすには、アルカリ性になる鉱物を入れたお湯を使いますが、山鹿温泉の温度と良質のアルカリ性の泉質はジーンズの糊落としに最適なんです」とスタッフの関口和良さん(40)。関口さんは、「山鹿ジーンズが広く知られるようになることで、山鹿の町を元気に盛り上げたい」とも話してくれました。
山鹿温泉のお湯で洗われている「山鹿ジーンズ」
「すみや荒物店」では生活雑貨や民芸品が売られています
荒尾の小代焼「ふもと窯」の器や小鹿田焼もあります
「すみや荒物店」スタッフの関口和良さん
昔のように活気が出ればと店を出しました
豊前街道沿いに、「茶や処たけちゃん」という食事どころがあります。こぢんまりとした家庭的なお店で、しょうが焼きやアジフライなどの定食が提供されています。メイン料理に小鉢3品、ご飯とみそ汁がついて600円という価格です。
「茶や処たけちゃん」でいただいたしょうが焼き定食は600円
アジフライ定食もおいしく、小鉢3品にご飯とみそ汁付きで600円
店を切り盛りするのは福富武子さん(72)。東京で50年ほど暮らし、7年前に郷里の山鹿に戻って来たそうです。「私はこの辺りで生まれ育ったので、昔のように活気が出ればと店を出しました。最初はコーヒーだけだったんですけど、そのうちお客さんから『ご飯ものを食べたい』と言われ、さらに『お酒も飲ませて』とリクエストされて…。営業時間がどんどん延びていったんです」と苦笑します。店の内装は、2年前に亡くなったご主人と友人たちで手作りしたそうです。
中央が福富武子さん。左は小林紗恵さん、右は小畑みゆさん
その日、お店では福富さんが帰郷してから親しくなったという小畑みゆさん(19)と友人の小林紗恵さん(19)という若い2人が食事していました。「武子さんは年齢差を感じさせない人です。すっごく優しくて大好きです」と小畑さんが朗らかな笑顔を見せました。
各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。