アートめぐりの拠点となる「つなぎ美術館」。観覧料は展覧会によって変わります。ホームページhttp://www.town.tsunagi.lg.jp/Museum/で確認を

津奈木町がアートによる町づくりを始めて35年。2001年には拠点となるつなぎ美術館がオープンしました。楠本さんは、「町は、水俣病で傷ついた人々の心をアートの力で癒やそうと文化芸術活動に力を入れてきました」と話します。

「町を気に入って、プロジェクト後も親交を深めるアーティストもいます」と、つなぎ美術館学芸員の楠本智郎さん

2008年からは、町の人たちが美術館に足を運び、作家と触れ合える住民参画型のアートプロジェクトもスタートしました。その一つが、2013年6月に始まり、全国的にも話題となった「赤崎水曜日郵便局」です。

これは、旧赤崎小を舞台に架空の郵便局を設定し、水曜日の出来事を書いた手紙を出すと見知らぬ誰かの水曜日の手紙が届くというプロジェクトで、3年後に閉局するまでの間に、海外からを含めて1万通もの手紙が届いたそうです。

「アーティスト・イン・レジデンスつなぎ」では毎年ブックレットも制作されます

吹き抜けのロビーに飾られた幸田千依さんの作品「何時しかの夕暮れ」。2016年に「アーティスト・イン・レジデンスつなぎ」で制作されました

あけぼの橋の欄干に設置された彫刻。彫刻家の故・岩野勇三氏の作品「爽風」

「アートによって人と人の心が通い合う取り組みを目指しています。『アーティスト・イン・レジデンスつなぎ』もそうですが、作品を展示するだけでなく、ワークショップやイベントを通して、アーティストと住民がアートの魅力を共有できたらと思います」と楠本さん。

これまで津奈木町との縁が生まれたアーティストたちの作品は、町の至る所で鑑賞できます。役場近くにある「みんなの森」の一角には、国内外で大型作品を展開する現代アーティスト・西野達さんの作品、「達仏」があります。ウバメガシの森に育つ木々に、33体の仏像を彫った作品が配置されており、木々の間から日が差すと仏像が黄金色に輝き、厳かな光景が広がります。

森の中に金色に光るお釈迦様。定期的に作家の西野達さん、熊本在住の彫刻家の森英顕さん、崇城大学の学生たちによりメンテナンスが施され、きれいな姿を維持しています

津奈木町役場の裏手にある「みんなの森」。イチョウ、クス、ブナの森が続き、一番奥のウバメガシの森の中に「達仏」があります

また肥薩おれんじ鉄道津奈木駅のホームから始まる地上絵も見応えがあります。町道に描かれているのは、体をくねらせる太刀魚や木々、そして花などで、津奈木町の自然がモチーフ。これは、画家の淺井裕介さんが住民や県内外からの参加者とともに制作した地上絵プロジェクト「つなぎの根っこ」です。津奈木大橋、あけぼの橋、茜橋にある数体の彫刻や、津奈木駅前にある孝行娘の物語を描いた「千代」の彫刻など、町全体が一つの大きな美術館のようです。

横断歩道などで使用される白線素材で描かれた「つなぎの根っこ」。旧赤崎小学校の路面でも見られます

津奈木駅前に設置された彫刻「千代」は、町に伝わる孝行娘の昔話がモチーフに。詳しくは5ページの「親子で学ぶ」をご覧下さい

【達仏・つなぎの根っこ】津奈木町政策企画課

津奈木町政策企画課

TEL.0966-78-3114

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