牛舎を改築した「asoうぶやまキュッフェ」の外観

「御湯船温泉館」からの山道を進むと、人里離れた場所に、「asoうぶやまキュッフェ」という小さなレストランを見つけました。

桜の枝に下げられたドイツ語の看板と電球の明かり。その光景は、ステキな映画のオープニングシーンのようです。

桜の枝に下げられた看板の風情がなんともおしゃれ

ドアノブにはスプーンをあしらってあります

「KUCHE(キュッフェ)」とはドイツ語で「小屋」という意味。かつて牛舎だった建物を改築し、週末だけオープンするレストランです。主の武本規博さん(41)と多恵さん(49)夫婦は、平日は無農薬の野菜作りに汗を流しています。

テーブル席から武本さんたちの畑が見えます

二人は以前、熊本市内でレストランを開いていましたが、多忙を極めるうちに心身がすり減っていったそうです。転身のきっかけとなったのは、熊本地震でした。「新たな夢に向かって二人で歩き出したいと、これまでとは違う暮らしを求めて山都町へ移り、3年前に産山村に移住しました」と多恵さんは話します。

武本さんたちが育てた無農薬の野菜も販売されています。ネットでの注文も可能

産山村に来てから規博さんは、農業大学校に1年間通って農業を学ぶと、独自の農法で野菜を育て始めました。「野菜を育てるうちに、このおいしさを伝えたいと思うようになりました。そして、山都町で知り合った方が提供してくれるシカやイノシシの肉を使った、おいしいジビエ料理を出すことにしました」。そう言って規博さんは、生き生きとした表情で厨房に立ちました。

厨房で黙々と料理を作る規博さん

無農薬の野菜で仕立てる 美しい前菜とジビエ料理

「asoうぶやまキュッフェ」では、2種類のコースメニューが提供されます。無農薬野菜の前菜とスープ、そしてメインはジビエの肉料理のコース(4400円)かパスタのコース(3300円)となっています(いずれも税込み)。

今回は肉料理コースをオーダーしました。まずは前菜から。10種類以上の季節の野菜をふんだんに使った美しい盛り付けに、思わず見とれます。どの野菜も力強い本来の味がして、スープの具もまた、一枚の絵を見るようです。

まるで一枚の絵のようなスープの盛り付け

食べるのがもったいないほど美しい前菜の一皿

そしてメインのシカ肉料理は、香ばしい肉のうま味を引き立てるソースの絡み具合が何とも絶妙で、赤ワインが欲しくなります。

この日はメスのシカ肉が登場。散りばめられた花も全部食べられます

「実は今、ブドウを栽培しています。産山村は“どぶろく特区”で、自分たちで仕込んだワインをお店で提供したいと思っているんです」と、多恵さん。

たった3世帯の地区の住人となって3年。四季を肌に感じ、土に触れながら暮らす二人の芯のある生き方が、丁寧に作られた一皿一皿から伝わってくるようです。

「レストランは、私たちの産山村での暮らしを表現する場所」と話す多恵さん

古い木材の温もりが伝わる「asoうぶやまキュッフェ」の店内

asoうぶやまキュッフェ

阿蘇郡産山村産山2101

TEL.0964-46-2622

※レストランは要予約(土、日、祝日のみ営業)

下記のアドレスで予約を
ubuyama-kuche@outlook.jp
もしくは、このアドレスから
https://m.facebook.com/ubuyamakuche/

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