「もののけ姫」のシシ神が歩いていそうな山吹水源

快晴に恵まれた「やまなみハイウェイ」を走ります。キラキラとススキの穂が揺れ、草原が波打つようにたなびいて、風の姿を教えてくれます。空気が澄み渡り、空がいっそう高くなる季節の産山村を訪れました。

田んぼではもう、稲穂が頭を垂れ始めていました。黄金色に染まると、待ちに待った収穫です。産山村の米がおいしい理由は、村中を潤しているとびきりの水源の水で育てられるからです。

「池山水源」は既に広く知られていますが、もう一つ、秘湯ならぬ“秘水源”と呼ばれているのが、村北部の扇棚田を潤す「山吹水源」です。案内看板のある駐車場から整備された歩道を進みます。やがて歩道から左に下ると、水源まで風情ある小道が続き、10分ほどで到着します。

山吹水源に向かう途中の小道も風情があります

樹木に覆われた小道は昼間といえども薄暗く、冷気が漂っています。落葉樹のしっとりとした黒い幹と葉のコントラスト、脇を流れる浅瀬のせせらぎ、濡れた落ち葉の風情など、特別な気配に満ちています。その先に、山吹水源があります。

水源を守るようにたたずむコケに覆われた祠(ほこら)

駐車場脇にある水場で、水源の水をくむことができます

水底の砂を押し上げるように湧き続ける水は毎分30トン。翡翠(ひすい)色の水面は神秘的で、水温は一年を通して13・5度です。池のほとりに立つと、奥の森から映画「もののけ姫」に出てくるシシ神が姿を現しそうな、神秘的な気配を感じます。

ところで、産山村の各家では、水道の蛇口をひねると天然のミネラルウオーターが出てきます。村の人たちの間では、「うちの水がおいしい」「いやいや、こっちがうまい」など、「池山派」と「山吹派」に分かれての水の味論争が交わされているのだとか。

産山村の名所、「池山水源」のたたずまい

どちらに軍配が上がるにせよ、いつもは店で天然水を購入している身としては、ひがみの一つも言いたくなるというものです。

秋のヒゴタイ公園にはコスモスが咲き誇ります(資料写真)

産山村主催の写真コンテストに入賞したこともある阿蘇郡高森町の島田史郎さんが撮影した扇棚田

産山村役場(企画振興課)

阿蘇郡産山村山鹿488-3

TEL.0967-25-2211

https://ubuyamamura.com/

次は:(2)産山村の“トリセツ”片手に まずは「うぶやま牧場」へ


各情報は掲載時のものです。料金や内容が変わっている場合もあります。